今週の予想

米国決算の内容次第では上へ、そうでなければ下値固めへ

 3月16日の2万6,632円の急落の時に、彼岸底として当面は、日本株は4月から5月にかけて上昇しやすいという経験則があり、今年は5月にG7広島サミットも予定されていることで、調整一巡後に切り返す可能性があるとしました。

 4月4日(火)に2万8,287円まで上昇後、急落して6日(木)に2万7,427円まで下げたことで、いったん反発して2万8,000円を試すにしても下値を確認したあとと想定したことで、想定レンジを2万7,000~2万8,000円とし、目先は200日移動平均線(2万7,370円水準)を試したあと2万8,000円に向かうとしました。

 ところが先週は下値を試すことなく終始、買い気の強い地合いとなり、2万8,500円水準で引けました。

 先週は、日経平均株価が1週間で約1,000円の上昇幅となって、2万8,500円水準のフシ目まで来ており、ここからさらに上にいくのか、いったん下値固めに入るのか注目するところとなります。この日経平均の動きを左右するのは、為替とダウ工業株30種平均の動きといえます。

 米国では、先週末の金融の決算を皮切りに、今週は、ネットフリックスやテスラなどの決算発表や今後の見通しが発表されます。内容によっては日本株へのインパクトがあれば2万9,000円に向かう動きも想定されますが、そうでなければ2万8,000円水準での値固めとなります。目先は短期急騰となっているため、売り物をこなす場面も考えられます。

 大きなレンジでは、2万6,000~2万9,000円のボックス相場となっており、当面は2万8,000~2万9,000円のレンジとなって、ここを突破すれば一段高となる可能性もあります。 

 まずは、先週末の4月SQ値2万8,519円で、ここを抜くと3月9日の2万8,734円を目指すことになります。5月2~3日にFOMC(米連邦公開市場委員会)を控え、日本は大型連休と決算発表の集中期間がありますので、まず4月下旬にどこまで戻せるかとなります。

今週の指標:日経平均株価

 先週は、終始、買い気の強い地合いでした。植田日本銀行総裁の発言やバフェット氏の日本株追加投資が相場の追い風になり、米経済指標に振り回される展開とはならなかったため、2万8,000円台を回復し、しっかりした動きでした。

 今週は、2万8,000円台での値固めができるか注目される中、米国の一足先の決算発表を受けて内容がよければ上値が期待できます。そのためには海外投資家の一段の買いが期待されます。まず、4月SQ値2万8,519円をぬくと3月9日の2万8,734円、その上は2万9,000円となります。

先週の動き

 先週の予測では、2万7,000~2万8,000円のレンジの中で、まず下値を試してから2万8,000円を目指すとしましたが、円安・ドル高や週末のSQに絡んだ先物買いによって2万8,000円台をすぐに回復しました。

 4月10日(月)は、米景気の減速懸念後退で買いが先行し、+115円の2万7,633円と続伸。

 11日(火)は、植田日銀総裁の発言を受け円安が進行し、バフェット氏の日本株の追加投資報道で一時+434円の2万8,068円まで上昇し、終値では+289円の2万7,923円、12日(水)は、円安・ドル高を受け、先物買いを交えて+159円の2万8,082円と4日続伸し、2万8,000円台を回復。

 13日(木)は、朝方は米株式の下落を受けて売り先行で始まるものの、先物に断続的に買いが入って+74円の2万8,156円と5日続伸。

 週末の14日(金)は、前日の米株高を受け、先物主導で上昇し、+336円の2万8,493円で引けました。SQ値2万8,519円にはタッチせず「幻のSQ」となりました。