3月の日銀短観DIは良好
3日朝8時50分に発表された3月の日銀短観では、大企業・製造業DIが+1まで大きく低下しました。前回(12月短観+7)よりも6ポイントの低下です。
一方、大企業・非製造業DIは+20と高水準です。前回(+19)よりも小幅に上昇しました。
<日銀短観、大企業製造業・非製造業DIの推移:2018年3月~2023年3月>
3月の日銀短観は、総じて、悪くない内容です。大企業・製造業DIが大きく低下したとは言ってもプラスで、マイナス圏に沈んだわけではありません。大企業・非製造業は+20と非常に好調です。製造業と非製造業を合わせた、大企業DIは+10と景況は「良好」と言えます。
大企業DIを業種別に見たのが、以下です。好調・不振の業種がよくわかります。
<大企業・製造業の業種別DI>
製造業DIが大きく低下しましたが、下方へ引っ張ったのは石油・石炭製品(▲46)など素材産業です。業務用機械・生産用機械など、加工産業は好調です。
原油・ガスなどエネルギー価格が低下したことによって、素材産業で業況が大きく悪化しました。ただし、原油・ガスなどの価格低下は、短期的に日本の製造業景況を悪化させますが、中長期的にはプラスとなります。原燃料価格の低下につながるからです。
<大企業・非製造業の業種別DI>
非製造業は極めて好調です。情報サービス・物品賃貸・事業所サービスなどが高水準です。非製造業でマイナスに沈んでいるのは、電気・ガス(▲15)だけです。
製造業が不振で、非製造業が好調なのは、米国も同じです。それが、以下ISM(米サプライマネジメント協会)景況指数からわかります。日銀短観DIと比較すると、米国よりも日本の方が企業の景況は良いことがわかります。