今日の為替ウォーキング

今日の一言

複雑な事象を単純化できる人を天才という

It’s My Life 

 日銀は、誰を向いて政策を行っているのだろうか?何兆円もの資金を投入し続けて、いったい何のためにYCC(イールドカーブ・コントロール)政策を守ろうとしているのか。

 消費者のインフレ期待を呼び覚まそうとしているのだと言う人もいる。しかし、日本の消費者のほとんどは日銀の政策を気にすることはないし、黒田総裁の発言を聞くためにTVをつけることはない。

 それでは、企業のためなのか?日本企業の半数近くは、緩和政策の継続を積極的に支持していない。家庭でもなく、企業でもないとすれば、日銀の政策は、政治家と財政に対する配慮、あるいは投資家に向けられていることになる。

 YCC(イールドカーブ・コントロール)とは、長期金利の誘導水準を定め、その水準になるよう国債買入れを実施する政策で、日銀は今から約7年前の2016年に、QE(量的緩和)からYCCに金融政策を転換している。

 YCCにおいて日銀は、10年債利回りの誘導目標を0.0%と設定している。しかし、現状では誘導目標どころか、上限の「0.5%程度」以内に金利を抑えることも難しい状況だ。

 日銀がYCC政策は機能不全になっていると考えているとすれば、昨年12月の変動幅拡大は理にかなっている。そして今年1月には廃止するべきだった。しかし、もし日銀が物価目標にのみ焦点を合わせているのであれば、日銀が物価目標に失敗し続けている以上、実質上の利上げとなる12月の変動幅拡大は意味をなさない。

 黒田日銀によると、YCCの変動幅拡大は「金利の上昇を許すことによって緩和政策を強化する」ためらしいが、高難度すぎてマーケットは理解できなかった。

今週の注目経済指標

出所:楽天証券作成