量的緩和と金利低下は頂点に達した

 量的緩和と金利低下は、2020年に前例のない数兆円規模の資本注入で頂点に達した。その3年後、宴は終わった。世界的に流動性が逼迫(ひっぱく)している兆候が「ドル高」だ。

 最近の株式市場は実体経済とはほとんど相関が無い。最初の投資家は、その後で投資した投資家によって株価が上がり、その結果、もっと多くの人が株式を購入するので投資収益を得る。宴は何かが新しいお金の流れを遮断するまで続き、突然全てがクラッシュする。

 1924年から現在までの鉱工業生産とS&P500のグラフを見てみよう。2000年にドットコムバブルが崩壊するまで、株式は工業生産の上昇にほぼ追随していた。株式市場はバブルのような投機的熱狂の高さまで急騰していることに注目しよう。

1924年から現在までの鉱工業生産とS&P500

出所:ゼロヘッジ

 下のチャートを見てほしい。相場で一番大切なことは、大きな損をしないことだ。大きな損をすると、投資効率が死んでしまうからだ。

アークイノベーションETF(週足)

(マーケットナビゲーターの売買シグナル ピンク:買いトレンド・シアン:売りトレンド)
出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター

ビットコイン/ドル(週足)

(マーケットナビゲーターの売買シグナル ピンク:買いトレンド・シアン:売りトレンド)
出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター

メタ・プラットフォームズ(週足)

(マーケットナビゲーターの売買シグナル ピンク:買いトレンド・シアン:売りトレンド)
出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター

 個人投資家がバブル相場につぎ込んでいいのは、失ってもいいお金だけである。そもそも、大多数の人間が飛びつくものに、ろくなものがあったためしがない。流行とかブームに乗ると、最後にはしっぺ返しが待っている。