S&P500のEPS成長率が前年比でマイナスに転換!過去にはいずれも株価が急落
年明け後の市場は、明確なシグナルを発しているとは言いがたい。現在の相場は投資サイクルの最も難しい段階にある。そのため、株式市場も為替市場もレンジ相場になっている。
バンク・オブ・アメリカのハーネットは、「株式投資家は先送りされた大災厄に向かっている。米国株の上昇は行き過ぎであり、年後半に景気急減速なら激しい売りに直面するだろう。大災厄が先送りされていた場合に、最も痛みが大きい」と述べている。
FRB(米連邦準備制度理事会)が利下げを行うまでの株式市場の上昇は、「死の舞踏」かもしれないのである。したがって、長期投資は危険だ。 直近の二つの弱気相場を参考にすると、インフレが一段落し、金利の休止期を経て、FRBがいよいよ利下げに入ると、株式市場はさらに18~22カ月間下落を続けることになる。
ナスダック100と米2年国債金利の推移(ドットコムバブル崩壊とリーマンショック)
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現在の投資環境では、米金利が低下するか、米企業業績が上がるかのいずれかがないと、米国株が大幅に上昇するには無理があるだろう。
だが、米企業業績は悪化し、FRBによる利上げが長引くとの見方から、米金利は上昇傾向にあり、ドルも強含んでいる。
ハイテク5社の2022年10-12月期決算
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米10年国債金利(日足)
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出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター
ドル/円(日足)
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出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター
ユーロ/ドル(日足)
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出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター
ポンド/ドル(日足)
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出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター
現在、S&P500種指数のEPS(1株当たり利益)成長率が前年比でマイナスに転じている。これは、2000年以来5度目である。 過去にはいずれも株価が急落した。
S&P500のEPS成長率が前年比でマイナスに転じている
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S&P500CFD(日足)
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出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター
量的緩和と金利低下は頂点に達した
量的緩和と金利低下は、2020年に前例のない数兆円規模の資本注入で頂点に達した。その3年後、宴は終わった。世界的に流動性が逼迫(ひっぱく)している兆候が「ドル高」だ。
最近の株式市場は実体経済とはほとんど相関が無い。最初の投資家は、その後で投資した投資家によって株価が上がり、その結果、もっと多くの人が株式を購入するので投資収益を得る。宴は何かが新しいお金の流れを遮断するまで続き、突然全てがクラッシュする。
1924年から現在までの鉱工業生産とS&P500のグラフを見てみよう。2000年にドットコムバブルが崩壊するまで、株式は工業生産の上昇にほぼ追随していた。株式市場はバブルのような投機的熱狂の高さまで急騰していることに注目しよう。
1924年から現在までの鉱工業生産とS&P500
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下のチャートを見てほしい。相場で一番大切なことは、大きな損をしないことだ。大きな損をすると、投資効率が死んでしまうからだ。
アークイノベーションETF(週足)
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出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター
ビットコイン/ドル(週足)
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出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター
メタ・プラットフォームズ(週足)
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出所:トレーディングビュー・石原順インディケーター
個人投資家がバブル相場につぎ込んでいいのは、失ってもいいお金だけである。そもそも、大多数の人間が飛びつくものに、ろくなものがあったためしがない。流行とかブームに乗ると、最後にはしっぺ返しが待っている。
2月22日のラジオNIKKEI「楽天証券PRESENTS 先取りマーケットレビュー」
2月22日のラジオNIKKEI「楽天証券PRESENTS 先取りマーケットレビュー」は、土居雅紹さん(楽天証券 株式・デリバティブ事業部長)をゲストにお招きして、「ウォーレン・バフェットの銘柄選択の方法」・「米国株の短期売買手法(長期リスクを避け、トレンドに乗る)」・「投資サイクルの端境期」・「利下げ前の相場は死の舞踏」・「土居さんの注目銘柄は!?」というテーマで話をしてみた。ぜひ、ご覧ください。
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ラジオNIKKEIの番組ホームページから出演者の資料がダウンロードできるので、投資の参考にしていただきたい。
2月22日: 楽天証券PRESENTS 先取りマーケットレビュー
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「投資戦略フェア2023」:石原順セミナーのお知らせ
3月11日(土) 「投資戦略フェア」
石原順講演 D会場※10:30 ~ 11:30
「ノーランディングか?ボルマゲドンか?投資サイクルの狭間の2023年相場を読む」 (後援:楽天証券)
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石原順講演は、【マーケットナビゲーターのお試し版】 が、<セミナー参加者特典>となっています。
サンプル:「マーケットナビゲーター」のメキシコペソ/円(日足)のテクニカル分析
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出所:トレーディングビュー
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