今週の指標:NYダウ(ダウ工業株30種平均)

 今週は、FRB(米連邦準備制度理事会)がインフレ指標として特に注目している消費者物価指数や小売売上高などの経済指標の発表があります。また、3日に発表された1月雇用統計など雇用関連指標が想定外に強く、労働市場の逼迫継続が示され、FRBの一部の高官は一段の金融引き締めが必要との考えを示しております。

 パウエル議長は今後、労働市場が弱まると見ていますが、強い状態が続けば利上げの長期化となり、また、JPモルガンのダイモン最高経営責任者は、インフレを巡り鈍化宣言をするのは時期尚早と発言しております。物価圧力が想定通り緩和しなければ、FRBはさらなる利上げに踏み切る可能性もあり、そうなると株価にはマイナスとなります。

 今週は、重要な経済指標の発表がありますので、結果によって一喜一憂する相場となりそうですので、結果をみて動くことになります。

先週の動き

 先週は、先週末のFRBによる利上げ停止期待が後退し、それにつれて長期金利が上昇し、株価は軟調な動きが想定されました。

 週始めは、▲34ドルと3日続落し、7日(火)はパウエル議長の「インフレ鈍化が始まっている」という表明から+265ドルの3万4,156ドルと大幅反発するものの、8日(水)は▲207ドル、9日(木)は▲249ドルの3万3,699ドルと続落しました。

 週末10日(金)は、米10年債利回りが上昇したことで、ナスダック総合指数は▲71Pの1万1,718Pと下げるものの、NYダウは+169ドルの3万3,869ドルと3日ぶりに反発しました。結局、レンジの中での上下動となっています。

今週の指標:ドル/円

 今週は、1月消費者物価指数や生産者物価指数といった重要インフレ指標の発表を控え、インフレが高止まりし、FRBの利上げが長期化するとの警戒感から米金利が上昇し、ドルが強含む可能性があります。また、1月の日本の貿易赤字は昨年比より大きく増大しており、ドル高を支える要因となっており、円安基調の可能性が見込まれています。129~133円のレンジを想定。

先週の動き

 前々週末の2月3日(金)に利上げ停止が期待されていたものの、FRB議長の発言で利上げ停止期待が遠のいたことが先週も続き、6日(月)には132.90円までドルが買われ円安基調が続き、7日(火)は一服となって130.48円まで円高となりました。

 しかし、その後は130~132円台のもみあいとなり、週末の10日(金)は、日銀の後任総裁人事で想定されていた雨宮正佳副総裁ではなく、植田元審議委員の起用で政策修正を織り込んで130.58円まで下げていましたが、2月ミシガン大学消費者信頼感指数が予想を上回ったこともあり、131.60円まで上昇し、131.43円で引けました。