「人類最後の日」まで、あと90秒!?

 米国の科学雑誌「Bulletin of the Atomic Scientists」は、1945年にマンハッタン計画(第二次大戦中の米国の原爆開発・製造計画)に貢献したシカゴ大学の科学者によって作られ、1947年より「人類最後の日」までの残り時間を示唆する「終末時計」を公表しています。

 もっとも新しい「終末時計」は2023年1月に公表されました。「人類最後の日」の午前0時00分まで残り90秒、つまり今が「前日の23時58分30秒」である、としています。

図:「人類最後の日」までの残り時間(公表年のみ記載) 単位:分

出所:Bulletin of the Atomic Scientistsのデータをもとに筆者作成

 終末時計の分針を動かすかどうかは、毎年、同誌の各種委員会が、10名を超えるノーベル賞受賞者を含むスポンサー委員会と協議し、決定しているとされています。

 この時計は、核のリスク(核兵器の使用)、気候変動(気温上昇による災害発生)、生物学的脅威(各種感染症の拡大)、破壊的な技術による大惨事(情報操作からドローンなどが有する潜在的な脅威)に対する世界の脆弱(ぜいじゃく)性を示す指標として、世界的に認知されるようになりました。

 この「終末時計」がこの1月に、最も「人類最後の日」に近いとされたのは、ウクライナ危機の危険性が高まっていることを主因だとしています。ロシアが核兵器を使用することを、薄くほのめかしていること、ロシアがチェルノブイリ原発やザポリージャ原発の放射性物質を広範囲に拡散させる可能性があると、指摘しています。

 また、ウクライナ危機がきっかけで気候変動リスクが高まっているとしています。ロシアに石油や天然ガスを依存していた国によって、本来なくなるはずだった化石燃料の投資が拡大していると指摘しています。こうした経緯を経て進んだ「終末時計」は、「これまでで最も世界的な破局に近い位置にある」としています。

 同誌のウェブサイトに、「人間が作り出したものだから、コントロールできるはずだ」という記載があります(because humans created them, we can control them)が、人間が作り出したものだからこそ、コントロールできないリスクもあると、筆者は考えています。

 ヒトは、一度ぜいたくを覚えるとなかなか以前の生活に戻れない、SNSを駆使することで民衆の渦(主に怒り)が極限まで膨張する、などの性質を持っています。これらは、ヒトという生き物が持っている性質がそうさせていると、考えられます。

 今、以前の「2023年の金(ゴールド)相場を予想 最高値更新はある!?」で述べたとおり、民主的な国の数が減り、非民主的な国の数が増えてきています。世界はまさに、「分断」拡大期にあるといえます。こうした中、人類は自らを律し、リスクを解消することはできるのでしょうか。

「終末時計」の目的が、各種リスクの高まりを「警告すること」であれば、この時計は0時00分に至る(人類最後の日が到来する)ことは、ないでしょう。その代わり、人類は、絶えず世界のどこかで、大なり小なりのリスクが存在することを容認することになるでしょう。自覚があるないにかかわらず、です。特に「自覚がないリスク(=見えないリスク)」の存在はやっかいです。

「終末時計」は、先ほど「金(ゴールド)市場を取り巻く七つのテーマ」で、超長期のテーマとして書いた「見えないリスク」の高まりを示していると、筆者は考えています。

 超長期視点で「見えないリスク」は続き、そしてそれは、超長期視点で金(ゴールド)相場を支える要因になると、筆者は考えています。

[参考]貴金属関連の具体的な投資商品例 ※級は筆者の主観

初級:純金積立、投資信託(当社では、楽天ポイントで投資信託を購入することが可能)

純金積立・スポット購入
ステートストリート・ゴールドファンド(為替ヘッジあり)
ピクテ・ゴールド(為替ヘッジあり)
三菱UFJ 純金ファンド

中級:関連ETF、関連個別株

SPDRゴールド・シェア(1326)
NF金価格連動型上場投資信託(1328)
純金上場信託(金の果実)(1540)
NN金先物ダブルブルETN(2036)
NN金先物ベアETN(2037)
SPDR ゴールド・ミニシェアーズ・トラスト(GLDM)
iシェアーズ ゴールド・トラスト(IAU)
ヴァンエック・金鉱株ETF(GDX)
バリック・ゴールド(GOLD)
アングロゴールド・アシャンティ(AU)
アグニコ・イーグル・マインズ(AEM)
フランコ・ネバダ・コーポレーション(FNV)
ゴールド・フィールズ(GFI)

上級:商品先物、CFD

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