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米12月雇用統計最速レビュー

 12月の雇用統計の結果を一言でまとめるならば、「堅調な雇用と賃金上昇の減速」だ。
FRB(米連邦準備制度理事会)は、インフレ抑制のためには雇用市場を冷やさなくてはいけないと考える。具体的には求人倍率が1.0倍以下、あるいは毎月の雇用増は10万人以下が数ヵ月以上継続するような状況を望んでいる。しかし、12月の非農業部門雇用者数(NFP)は、20万人を超える伸びとなった。

 強い雇用統計の結果は、FRBの仕事はまだ道半ばであり、大幅利上げが必要なことを明らかに示している。しかし、同じ週に発表された民間版雇用統計のADP雇用データや新規失業保険申請件数などのデータが軒並み強かったせいで、マーケットはガードを上げていた。むしろ覚悟していたよりも弱いじゃないかという「安心感」が勝った。

 それよりも注目を集めたのは労働賃金だ。平均労働賃金の上昇率(前年比)は、2022年3月の5.6%をピークに緩やかに下落を続け、12月には4.6%まで低下した。直近3カ月の平均は4.8%まで減速している。

 FRBがインフレ高止まりの大きな原因と指摘する労働賃金が目立って下げていることで、FOMC(米連邦公開市場委員会)の次回会合で0.25%利上げ(0.50%ではなく)はほぼ決まりだという楽観論が広がった。

 全体として12月雇用統計の内容は、「リスクオン」的だと解釈され、NY株式市場は大幅に上昇。一方でドル/円は日米金利差の拡大が望めないとして、円高に動いた。


 米11月雇用統計の詳細については「FRBは予想を間違えたのか?米失業率が8.0%に悪化するおそれも」をぜひご覧ください。

今週の 注目経済指標

出所:楽天証券作成