今週の指標:NYダウ(ダウ工業株30種平均)

 企業決算が始まり、高インフレや景気減速により、業績低迷が警戒されており下落要因の可能性には警戒する必要があります。金利ピークアウト観測が浮上して買い材料となる一方で、年内の景気後退懸念は売り材料となるため、上昇は限定的となります。

 FRBが警戒している賃金の伸びは鈍化しつつありますが、インフレ目標である2%にはまだほど遠く、利上げが必要であるとの見方はでてきます。新年度に入って新規投資は期待できますが、全体としては上昇しづらく戻り売りの対処となります。

新年初めの週の動きは

 1月3日(火)の大発会ではIMF(国際通貨基金)が「今年の世界経済は昨年より厳しい」とコメント。これを受け3指標そろって小幅下落。NYダウは▲10ドルの3万3,136ドル。4日(水)は、経済指標は強弱まちまちだったが、3指標そろって3日ぶりの反発。NYダウは+133ドルの3万3,269ドル。

 5日(木)は、強い雇用統計を受け、FRBの利上げ継続見通しが強まり、NYダウは▲339ドルの3万2,930ドル。週末6日(金)は、12月雇用統計で雇用者数の増加が鈍化し、平均時給の伸びも前月比減少したことで、利上げ長期化に対する懸念が後退し、株価は急反発となり、+700ドルの3万3,630ドルと柴田罫線でも短期の買転換となっています。

今週の指標:ドル/円

当面の為替の見通し

 為替は2021年1月4日の102.9円からの上昇トレンド(A)をみると、この中で2022年10月21日の151.93円でピークをつけ、12月5日に134円まで下げて、138円まで戻し、もみあったあと下放れとなって、今年の1月4日に130.01円まで下げて反発しています。  

 しかし上昇トレンド(A)を下に切っており、戻しても138円水準が当面の上値のフシとなります。ドル高・円安のトレンドに戻るには、まず138円の突破が必要となります。そうであれば当面、昨年のように円安を武器に日経平均の上昇は厳しくなります。

新年初めの週の動きは

 6日(金)は、NY市場で、ドル/円は、1ドル=134.77円まで上昇後、132.00円まで反落し、132.15円で引けました。この日は、12月雇用統計の結果によって日米金利差拡大観測からドル買い・円売りが加速し、134.77円まで上昇しました。

 しかし発表された雇用統計は失業率が低下し、雇用者数は前月比より少なくなり、賃金の伸びも予想以上に鈍化したことで、132.00円までドルが売られました。

 日本銀行のこれまで進めてきた大規模金融緩和の段階的修正への思惑は意識されており、円買い圧力は強まります。そのためドルは上げ渋りとなりやすく、米国のインフレ懸念は弱まる可能性があります。つまりドルは上げ渋りで米インフレ緩和の思惑が強まりそうです。