今日の為替ウォーキング

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黒田総裁、事実上の敗北宣言?

 バブル経済崩壊後の日本の1990年代は、「失われた10年」と呼ばれた。

 日本経済は2000年代に入ってからも、70年代や80年代の頃のような勢いを取り戻せないまま、気がつくと「失われた30年」が過ぎてしまった。2020年代に入っても、日本は他国に大きく後れを取り、このままでは「失われた40年」を進むことになる。

 そうはさせないと、日銀は大規模金融緩和政策によって必死に日本経済を支えている。必要であれば「追加緩和をすることをためらわない」と黒田総裁は繰り返し述べてきた。

 日銀は2000年からゼロ金利政策を始め、2016年からは、短期の政策金利については日本銀行当座預金のうち政策金利残高に▲0.1%のマイナス金利を適用する、いわゆるマイナス金利政策を実施している。

 しかし、実はマイナス金利には「効果がない」。マイナス金利を採用する欧州と日本の銀行のデータを分析した結果、マイナス金利が長く続くほど、銀行の収益性と貸し出しの両方が低下したことが明らかになっている。マイナス金利の状況下における銀行の融資は最初の1年間は増加するものの、その後2年間は融資がマイナスに転じ、当初の増加分以上に減少しているのだ。

 2022年最後の政策会合で、日銀は突如として、YCC(イールドカーブ・コントロール)のバンド幅を拡大して、長期金利の上昇を許した。黒田総裁は否定しているが、これは緩和政策の放棄だろう。

今週の 注目経済指標

出所:楽天証券作成