今日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは136.30

下値メドは129.40

インフレ:達成不可能なインフレ目標2%への固執は、中央銀行の信頼性を損なう
米アップル:iPhone生産拠点を中国からインドへ。背景に米中貿易戦争  
中国:ゼロコロナ政策解除でも国内需要拡大にはつながらない。政府からの給付金ない 
FOMC:パウエル議長「弱い経済データだけでFOMCがハト派に転換することはない」
FOMC:政策に転換する前にインフレがやわらいでいるという証拠が必要だ 
FRB:メスター総裁「FRBが近い将来に利上げ休止することはない」 
豪RBA:インフレよりも経済成長リスクを懸念。  04-11-2022
ECB:クノット理事「インフレ率を目標値に戻すために景気後退は必要な代償」
ECB:ラガルド総裁「金利の調整は、インフレ対策のECBの主要手段」  
ECB:ラガルド総裁「金利は引締め水準まで引き上げる必要があるかもしれない」

 今年のドル/円の安値は1月24日の113.47円、高値は10月21日につけた151.95円だ。高値と安値の50%(半値)は132.70円。そしてこの日の終値は131.71円。9ヵ月もの期間をかけてせっせと積み上げてきた円安貯金は、たった2ヵ月でその半分以上が消えてしまった。

 12月20日(火曜)のドル/円は大幅に「円高」。
 1日のレンジは130.57円から137.48円。値幅は6.91円。 

 2022年252営業日目は136.79円からスタート。いつものように日銀会合は無風通過との思い込みでドル/円の押し目買いが優勢となり、東京時間昼前に前日の高値(137.16円)を超え137.48円をつけた。

 ところが、日銀が「事実上の利上げ」を決定したことに不意打ちを食らったドル/円は137円台から一気に133円まで急落。海外市場でもじりじりと値を下げ続け、未明には130.57円をつけた。終値はやや円安に戻して131.71円(前日比▲5.22円)。

 日本銀行は20日の金融政策決定会合で、突如として大規模金融緩和政策の修正を決めた。2016年9月から導入しているYCC(イールドカーブ・コントロール)の、0%程度に誘導している長期金利(10年国債金利)の上下の変動許容幅を、従来の0.25%から0.5%程度に拡大する。

 短期の政策金利(日本銀行当座預金のうち政策金利残高に▲0.1%のマイナス金利を適用)は据え置いたが、日銀が長期金利の上昇を認めたことで、事実上の利上げと受け取られた。

 日銀のこの政策変更は、市場とのコミュニケーション不足によってFX市場や金利市場、そして株式市場を必要以上に不安定にしたとの批判もある。

レジスタンスは、
136.05円(200時間移動平均)
137.48円(12/20)
137.80円(12/16)

サポートは、
130.57円(12/20)
130.39円(08/02)
128.64円(06/03)

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

主要指標 終値

出所:楽天証券作成

今日の為替ウォーキング

今日の一言

書物と友人はよいものを少し持つのがいい

Sweet Child O' Mine

黒田総裁、事実上の敗北宣言?

 バブル経済崩壊後の日本の1990年代は、「失われた10年」と呼ばれた。

 日本経済は2000年代に入ってからも、70年代や80年代の頃のような勢いを取り戻せないまま、気がつくと「失われた30年」が過ぎてしまった。2020年代に入っても、日本は他国に大きく後れを取り、このままでは「失われた40年」を進むことになる。

 そうはさせないと、日銀は大規模金融緩和政策によって必死に日本経済を支えている。必要であれば「追加緩和をすることをためらわない」と黒田総裁は繰り返し述べてきた。

 日銀は2000年からゼロ金利政策を始め、2016年からは、短期の政策金利については日本銀行当座預金のうち政策金利残高に▲0.1%のマイナス金利を適用する、いわゆるマイナス金利政策を実施している。

 しかし、実はマイナス金利には「効果がない」。マイナス金利を採用する欧州と日本の銀行のデータを分析した結果、マイナス金利が長く続くほど、銀行の収益性と貸し出しの両方が低下したことが明らかになっている。マイナス金利の状況下における銀行の融資は最初の1年間は増加するものの、その後2年間は融資がマイナスに転じ、当初の増加分以上に減少しているのだ。

 2022年最後の政策会合で、日銀は突如として、YCC(イールドカーブ・コントロール)のバンド幅を拡大して、長期金利の上昇を許した。黒田総裁は否定しているが、これは緩和政策の放棄だろう。

今週の 注目経済指標

出所:楽天証券作成

今日の注目通貨:ドル/円

予想レンジ ↑140.87円 ↓131.75円

 ドル/円のピボット(ブルベア判断の分かれ目)は133.04円。
133.04円より上ならばドル買い優勢、133.04円より下ならばドル売り優勢。

143.55円    : 第4レジスタンス(HBO)    
140.64円    : 第3レジスタンス    

138.17円    :     12月 高値 
137.74円    : 第2レジスタンス    
137.49円    :     11月 安値
136.84円    : 第1レジスタンス        
134.37円    :     12月 平均値

133.04円 : ピボット

132.71円    :    2022年 平均値
130.57円    :     12月 安値 

129.24円    : 第1サポート    
128.34円    : 第2サポート    
125.43円    : 第3サポート    
122.53円    : 第4サポート(LBO)    

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成