今日の為替ウォーキング

今日の一言

一般的に、行き過ぎは反作用の原因となり、逆方向への変化を促す –プラトン

Beat It

利上げ続けるか、止めるか、それが問題だ

 FOMCはインフレ討伐の旗を掲げ、積極果敢な大幅前倒し利上げを連続して繰り出してきた。

 9月のドットチャートでは、2022年末の着地レート予想が6月時点の3.9%から4.6%まで大きく引き上げられていた。2023年のFF金利では、4.00%以下を予想するメンバーはたった一人。残りのメンバー全員は4.38%以上を予想していた。

 利上げ前倒しだけではなく、「長期間にわたる高金利」継続に対するFOMCメンバーの強い意志を反映している。マーケットがひそかに期待していた「来年利下げ」は、完全に却下された。

 ところが、FRBの努力も空しく、雇用市場はクールダウンするどころか、失業率は史上最低水準の3.5%まで下がるなど、ヒートアップが続いている。

 利上げ政策の成果が見えないのだ。パウエルFRB議長は不安になる。「このまま利上げを続けても大丈夫なのか?」FRB内部でも、もっと大胆に利上げするべきだと主張する積極派と、利上げが実体経済に浸透するまでのタイムラグを計算してこれ以上の過剰な引締めは逆効果だとする慎重派が対立している。

 パウエルFRB議長が期待しているのは「良い失業」だ。景気後退のリストラによる失業率「悪化」ではなく、労働力人口の増加による失業率「上昇」だ。いったん仕事を辞めた労働者や失業給付金を使い果たした人たちが再び雇用市場に戻ってきて、人手不足が解消に向かい、賃金上昇率も低下する状況だ。

今週の 注目経済指標

出所:楽天証券作成