株式投資で利回りを稼ぐ

  それでは、ここから日本株で「高配当利回り株」に投資する場合の、銘柄の選び方について解説します。

 日本株に投資する方法として、日経平均株価やTOPIXに連動することを目指している投資信託を購入するのが一番シンプルです。

 ただし、個別銘柄について勉強する時間のある方は、個別株投資に挑戦するのも良いと思います。日本株の個別株投資では、最初に「高配当利回り株」から投資していくのが良いと思います。以下、投資銘柄の選び方、考え方を解説します。

 株式投資というと、「値上がり益狙い」と思い込んでいる人が多いですが、少し発想を転換していただきたいと思います。

 今の日本株には、値上がりはあまり期待できないが、安定的に高い配当利回りが期待できる銘柄が増えているからです。

東証一部の平均配当利回りと長期金利(10年国債利回り)推移:1993年5月~2022年11月)

出所:QUICK、ブルームバーグより楽天証券経済研究所が作成、2022年3月までは東証一部平均、2022年4月以降は東証プライム平均

 昔の日本株は、確かに、配当ではなく、値上がりを狙って買うものでした。1993年ころ、東証一部の平均配当利回りは1%もありませんでした。

 当時、長期金利(新発10年国債利回り)が5%近くあったことを考えると、株の利回りは低すぎて、話になりませんでした。

 ところが、その後、長期金利が下がり続ける中で、日本株の利回りは上昇し続けました。【1】株価が下落したことと、【2】日本企業が株主への利益配分を増やすようになったことが、利回り上昇の要因です。

 今、長期国債の利回りがあまりにも低くなってしまったため、国債に投資する魅力はほとんど無くなりました。そこで注目されるのが、日本株の予想配当利回りの高さです。

 配当利回りから日本株を見直していい時代に入ってきました。東証プライムの平均配当利回りは11月30日時点で約2.5%です。

 なお、個別銘柄で見ると、日本を代表する大型株で配当利回り4%を超える銘柄が多数あります。大型高配当利回り株から投資していったら良いと思います。

 ただし、一つ注意が必要です。株の配当利回りは、確定利回りではありません。業績が悪化して減配になれば、利回りが低下します。株価が大きく下がる可能性もあります。

 銘柄選択にあたっては、単に予想配当利回りが高い銘柄を選ぶのではなく、長期的に保有して減配になりにくい銘柄を選ぶことが大切です。