今日の為替ウォーキング
今日の一言
「百里を行く者は九十を半(なか)ばとす。」(戦国策)
Take My Breath Away
果たして、パウエルFRB議長は雇用を増やしたいのか、それとも減らしたいのか?
雇用市場が弱くなると株式市場が喜ぶのはなぜか。雇用市場が強くなるとドルが売られるのはなぜか。
雇用市場は、もはや失業率だけの問題にとどまらず、インフレの問題と絡み合って、これまでように「強い雇用統計は、良いことだ」という単純な公式に当てはまらなくなっている。
世界の中央銀行にとって、高インフレ率が最大の問題だ。中央銀行はインフレ率を引き下げるために何をしているのか。インフレ率の抑制には賃金コストを引き下げる政策が適切だと、FRBやECB(欧州中央銀行)は考える。しかし、実質所得(名目所得を物価の変動を考慮して調整された所得)が著しくマイナスになっている状況では、このような政策は理解を得られない。
そのため、需要を抑制することによって、企業の価格決定力と利益率を弱めることを中央銀行は考える。中央銀行は、原油価格や食料品価格の上昇を直接コントロールすることはできない。日銀の中庭を掘っても油田は見つからないし、日銀職員は小麦の栽培をしていない。中央銀行にできることは、需要を後退させることしかない。
需要後退は、雇用の減少や雇用安定への懸念の高まり、あるいは所得の減少によって引き起こされる。給料が上がらない、リストラの恐怖など、将来の生活に対する不安が大きくなるほど、家庭はできるだけ出費を抑え、質素な生活を心がける。するとモノが売れなくなるから、企業は値下げするしかなくなる。これがFRBの狙うところだ。パウエルFRB議長は次のように述べている。「米国のインフレ率を目標値の2%まで引き下げるためには、雇用市場を冷やす必要がある。」
今週の 注目経済指標
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