12月の「権利付き最終日」は12月28日(水)、権利落ち日は12月29日(木)

 約定日から受渡日までの日数は、2営業日です。したがって、2022年12月末の株主に贈られる株主優待の権利を得るためには、2022年12月の最終営業日(12月30日)の2営業日前である、12月28日(水)までに、株を買わなければなりません。

 何を言っているか、意味がわからない方のために、簡単に言葉の説明をします。

(約定日)=株の売買をする日
(受渡日)=株の買い手が株主になる日、株の売り手が株主でなくなる日
(営業日)=証券取引所が開いている日。土曜日・日曜日・祭日は含まれない

 株を買ったら、すぐに株主になれると思う方もいるかもしれませんが、そうではありません。株の売買結果に基づいて株主名簿が書き換えられるまでに、2営業日かかります。

 2022年12月末日に優待の権利が確定する銘柄の権利付き最終売買日は、以下の通りとなります。

<2022年12月末基準の優待取りの権利付き最終売買日>

注:楽天証券が作成

 2022年12月末日に配当金や優待の権利を得る銘柄を例に、上の表を説明します。12月30日(金)に株主名簿に掲載されていないと、12月末基準の配当金や優待を得る権利は得られません。

 12月30日に株主名簿に掲載されるためには、その2営業日前の12月28日(水)までに株を買う必要があります。そうすると、12月末の株主に与えられる配当金や株主優待を得る権利が得られます。

 したがって、12月末基準の優待を得るための、株の買いとつなぎ売りは、12月28日までにやる必要があります。

●つなぎ売りを使った優待取りにかかるコストが、優待で得られるメリットよりも、大きくならないように注意

 最初にお伝えしたように、「優待タダ取り」はできません。売買手数料や、貸株料などのコストがかかります。優待取りにかかるコストが、優待で得られるメリットより大きくならないように、注意する必要があります。

 A社株100株のつなぎ売りにかかる主なコストは以下の通りです。

・A社株100株の買い付けにかかる手数料
・A社株100株の信用売りにかかる信用取引手数料
・信用売りするA社株100株を借りるための貸株料

 その他、制度信用で信用売りした場合、まれに「逆日歩(ぎゃくひぶ)」といわれるコストがかかることもあります。楽天証券の一般信用・短期を使う場合は、逆日歩は発生しません。

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