先週の結果
先週は、地政学的リスクで上値重くなり、2万8,000円水準のもみあい
先週の予測では、前々週末に米国で10月CPIが予想を下回る結果を受けて、インフレ鈍化に伴うFRBの利上げ幅縮小観測を背景にNYダウの+1,201ドルの急反発を受け、日経平均もつれ高く+817円の2万8,263円と2万8,000円台を回復したことで、当面は堅調な動きとなって9月13日の2万8,659円を目指すとしました。
ただし、円高基調となっており物色の変化の可能性があるため、レンジの想定を2万7,800~2万8,800円としました。
結果的には、ロシアのポーランドへのミサイル事件が起きて上値が重くなり、2万8,000円水準をはさんだもみあいとなりました。14日(月)の2万8,305円を高値に、16日(水)のミサイル事件で2万7,743円の安値をつけ、そのあとは2万8,000円水準のもみあいとなりました。
14日(月)は、前週末の大幅高の反動から利益確定売り優勢となり、ソフトバンクが急落となって指数のほとんどの下げ幅に寄与する形となり、また、円高も重しとなって大幅反落し▲300円の2万7,963円と安値引けとなりました。
15日(火)は、前週の米国市場はFRBの理事の一部からタカ派的発言があって長期金利が上昇し、NYダウの▲211ドルをはじめ3指標そろって反落しましたが、日経平均は一時▲60円の2万7,903円まで下げましたが、下値は堅く+26円の2万7,990円と小反発しました。
16日(水)は、前日の米国市場は荒い動きとなりましたが、日経平均も一時▲247円の2万7,743円まで下げましたが、終値は+38円の2万8,028円でした。
米国では10月CPIに続いて10月生産者物価指数も予想を下回ったことで、インフレのピークアウト期待からNYダウは+450ドルの3万3,987ドルと3万4,000ドルに接近しました。
しかしロシアのミサイルがポーランドに落ちたという報道で▲216ドルまで急落しましたが、引けは+56ドルとなり、ナスダック総合指数は+162Pの大幅高でした。日経平均の上値は重いままでした。目先の上値は11月11日(金)の2万8,329円となる可能性があります。
17日(木)は、前日の米国株が安く円高基調もあって、▲97円の2万7,930円で引けました。目先の動きは、こう着状態から短期投資家の売りで、一方で長期投資家の押し目買いで方向性のない展開となっています。
18日(金)は、前場は米国のSOX指数(フィラデルフィア半導体指数)が高く、半導体関連が買われ一時+114円の2万8,045円まで上昇。後場には先物にまとまった売りが出て一時▲52円の2万7,877円まで下落し、終値は▲30円の2万7,899円でした。
現状の方向感のない動きは先物によるインデックス売買によるものです。決算も終わり目立った材料もありませんので、しばらくトレンドが出る期待は難しいと思われます。
週末の米国市場では、NYダウは予想を上回った小売企業の決算を好感し上昇スタート。その後、ボストン連銀総裁のタカ派的発言を受けて金利が上昇し、上げ幅を縮小しましたが、米国とロシアの対話再開の期待を背景に再上昇し、+199ドルの3万3,745ドルと3日ぶりの反発となりました。為替は1ドル=142.34円で引け、シカゴ日経先物は+85円の2万7,965円でした。