今週の予想

今週は、2万8,000円水準をはさんだもみあいが続き、個別株物色も

 先週の日経平均株価は、16日の安値2万7,743円、14日の高値2万8,305円と2万8,000円をはさんだ±300円のレンジで動きました。

 今週は、日米ともに休日(日本23日、米国24日)をはさんでおり、相場は様子見となりそうです。方向性は決まらず先週と同じように2万8,000円を中心にもみあいが想定されます。

 日経平均は、11日に2万8,329円をつけ、約2カ月ぶりに2万8,000円台を回復。2万8,000円を中心とするもみあいに入っています。スピード調整をはさみながらジリ高基調を継続しているように見え、下に控える75日移動平均線(17日時点2万7,638円)を維持したまま12月相場となって9月13日の2万8,659円を試してもおかしくありません。

 ただし、日本株の上昇の条件は、ダウ工業株30種平均が堅調な動きとなっていることです。しかしNYダウをみると今回は10月13日の2万8,660ドルの安値から11月15日の高値3万3,987ドルまで5,327ドルも上げており、この水準で調整に入ると同じ規模の下落になる可能性があります。

 利上げ幅の縮小を好感して上昇を続けていますが、米景気はインフレ加速と金利上昇で減速感を漂わせており、NYダウに買い疲れ感もあるのでクリスマス商戦が期待はずれになると利益確定売りから大きな調整を念頭に入れておく必要があります。

 そうなると日経平均の上昇も止まりますので、ポイントとしては75日移動平均線(2万7,638円水準)を割り込めば赤信号の可能性があると考えていいかもしれません。

今週の指標:日経平均株価

 今週の日本市場は、23日(水)は勤労感謝の日で休場、米国市場も24日は感謝祭で休場ということで、相場は様子見となりそうです。日経平均は先週と同様に2万8,000円を中心にもみあいとなりそうです。2万7,700~2万8,300円の基本レンジ。

先週の動き

 先週の予測では、9月13日の高値2万8,659円が当面の目標になるとし、2万7,800~2万8,800円のレンジを想定しました。

 結果的には、11月11日の戻り高値2万8,329円に届かず、14日(月)の2万8,305円を高値に2万8,000円水準まで下落しましたが、ポーランドに落ちたミサイルはウクライナの迎撃ミサイルという話もあり、リスクが後退し終値では+38円の2万8,028円と小幅続伸でした。

 17日(木)は、米株式の下落で▲97円の2万7,930円と3日ぶりの反落。週末の18日(金)は、前場は米国のフィラデルフィア半導体指数が高く、ハイテク株が買い先行し、一時2万8,045円まで買われましたが、後場は先物売りでマイナス圏入りとなり、▲30円の2万7,899円で引けました。

今週の指標:NYダウ(ダウ工業株30種平均)

 今週は、24日の感謝祭を控えて参加者が限定で様子見となるが、中間選挙の通過や年末商戦の期待感が下支えとなりそうです。ただ、高インフレに加え10月末から消費の冷え込みでクリスマス商戦が期待ほどでもない場合は注意が必要です。

先週の動き

 NYダウの日足チャートは、乱高下しながらも上昇トレンドになっているとし、当面は8月16日の3万4,281ドルを目指すとしました。

 先週は、14日(月)は、FRB(米連邦準備制度理事会)理事のタカ派的発言から長期金利が上昇し、NYダウは▲211ドルの3万3,536ドルと反落しました。15日(火)は、先々週の10月CPI(消費者物価指数)に続いて10月生産者物価指数が予想を下回ったことで、インフレのピークアウト期待が続き、NYダウは一時+450ドルの3万3,987ドルと3万4,000ドルに接近しました。

 ところがロシアのミサイルがポーランドに落ちたというニュースで、一時▲216ドルまで急落。しかし、その後ウクライナの迎撃ミサイルだという情報もあり、+56ドルの3万3,592ドルと反発して引けました。その後は地政学的リスクで上値も重くなり16日(水)は▲39ドル、17日(木)は▲7ドルと小反落が続きました。

 週末の18日(金)は、上昇してスタート後、FRB理事のタカ派的発言を受け、金利が上昇すると上げ幅を縮小。しかし米国とロシアの対話再開の期待で再上昇し+199ドルの3万3,745ドルと反発しました。

今週の指標:ドル/円

 FRBによる利上げペースの減速の思惑が広がっているが、12月と1月に合計1%の追加利上げが実施される可能性が高いため、ドル買いは根強いとみられます。FRBの金融当局者のほとんどが利上げの重要性を指摘しており、140円以下でのドル売りは限定的と思われます。

先週の動き

 前週は、FRBの利上げ幅の縮小期待で、ドルが売られた流れから11月7日(月)の1ドル=147円台半ばから11日(金)の141円台前半までドル売り・円買いが進みました。これを受けて先週は円を買う動きとなり、15日(火)に137.79円まで円が買われ、その後は139~140円でもみあい、週の終値は140.34円で引けました。

先週の結果

先週は、地政学的リスクで上値重くなり、2万8,000円水準のもみあい

 先週の予測では、前々週末に米国で10月CPIが予想を下回る結果を受けて、インフレ鈍化に伴うFRBの利上げ幅縮小観測を背景にNYダウの+1,201ドルの急反発を受け、日経平均もつれ高く+817円の2万8,263円と2万8,000円台を回復したことで、当面は堅調な動きとなって9月13日の2万8,659円を目指すとしました。

 ただし、円高基調となっており物色の変化の可能性があるため、レンジの想定を2万7,800~2万8,800円としました。

 結果的には、ロシアのポーランドへのミサイル事件が起きて上値が重くなり、2万8,000円水準をはさんだもみあいとなりました。14日(月)の2万8,305円を高値に、16日(水)のミサイル事件で2万7,743円の安値をつけ、そのあとは2万8,000円水準のもみあいとなりました。

 14日(月)は、前週末の大幅高の反動から利益確定売り優勢となり、ソフトバンクが急落となって指数のほとんどの下げ幅に寄与する形となり、また、円高も重しとなって大幅反落し▲300円の2万7,963円と安値引けとなりました。

 15日(火)は、前週の米国市場はFRBの理事の一部からタカ派的発言があって長期金利が上昇し、NYダウの▲211ドルをはじめ3指標そろって反落しましたが、日経平均は一時▲60円の2万7,903円まで下げましたが、下値は堅く+26円の2万7,990円と小反発しました。

 16日(水)は、前日の米国市場は荒い動きとなりましたが、日経平均も一時▲247円の2万7,743円まで下げましたが、終値は+38円の2万8,028円でした。

 米国では10月CPIに続いて10月生産者物価指数も予想を下回ったことで、インフレのピークアウト期待からNYダウは+450ドルの3万3,987ドルと3万4,000ドルに接近しました。

 しかしロシアのミサイルがポーランドに落ちたという報道で▲216ドルまで急落しましたが、引けは+56ドルとなり、ナスダック総合指数は+162Pの大幅高でした。日経平均の上値は重いままでした。目先の上値は11月11日(金)の2万8,329円となる可能性があります。

 17日(木)は、前日の米国株が安く円高基調もあって、▲97円の2万7,930円で引けました。目先の動きは、こう着状態から短期投資家の売りで、一方で長期投資家の押し目買いで方向性のない展開となっています。

 18日(金)は、前場は米国のSOX指数(フィラデルフィア半導体指数)が高く、半導体関連が買われ一時+114円の2万8,045円まで上昇。後場には先物にまとまった売りが出て一時▲52円の2万7,877円まで下落し、終値は▲30円の2万7,899円でした。

 現状の方向感のない動きは先物によるインデックス売買によるものです。決算も終わり目立った材料もありませんので、しばらくトレンドが出る期待は難しいと思われます。

 週末の米国市場では、NYダウは予想を上回った小売企業の決算を好感し上昇スタート。その後、ボストン連銀総裁のタカ派的発言を受けて金利が上昇し、上げ幅を縮小しましたが、米国とロシアの対話再開の期待を背景に再上昇し、+199ドルの3万3,745ドルと3日ぶりの反発となりました。為替は1ドル=142.34円で引け、シカゴ日経先物は+85円の2万7,965円でした。