旧ソ連、産油国、アフリカ資源国はロシア寄り?

 具体的な、ロシアに吸い寄せられているとみられる国々を確認します。以下は、11月14日に行われた「ロシアに対してウクライナ侵攻による損害の賠償を要求」する決議の結果です。193カ国中99カ国が、反対・棄権・未投票などの行動をとり、ロシアを否定しませんでした(賛成94よりも多い)。

図:国連決議(11月14日)「ロシアに対してウクライナ侵攻による損害の賠償を要求」

出所:国際連合などのデータをもとに筆者作成

 カザフスタン、タジキスタン、キルギスタン、ウズベキスタン、トルクメニスタン、アゼルバイジャンなどの旧ソ連諸国が名を連ねています。また、サウジアラビア、UAE、アルジェリア、マレーシア、リビアなどのOPECプラスの国々の名前を確認することもできます。その他、南アフリカ、ウガンダ、中央アフリカ、ジンバブエなどのアフリカの資源国もいます。

 旧ソ連、産油国、アフリカ資源国。これらは「ロシアに反対しない」国々が属する主なグループだといえるでしょう。もともとロシアに従属的だった歴史を持っていた、危機勃発がきっかけで起きた原油高で恩恵を受けている、水面下で資源関連の投資が加速している(と報じられている)など、こうしたグループの国々は、ロシアを否定する動機が薄い国々といえるでしょう。

 ロシアを「否定しない」国々の多くは、民主的の度合いを示す数値が低く出ています。こうした国々はロシアの強い求心力に吸い寄せられて一つの塊となり、反民主主義・反西側体制を構築しているように、見えます。