危機勃発後、民主主義と距離をおく国が増加
民主的な国の数が減少し始めている中、新型コロナがパンデミック化したり、ウクライナ危機が勃発したりしました。特にウクライナ危機勃発は、民主的な国の数の減少傾向が強まる要因になっていると考えられます。
同危機勃発後11月14日までに、国連総会で行われたウクライナ危機関連の4回の決議で一度も賛成しなかった国が多いことがわかります(賛成しない=ロシアを否定しない)。
図:ウクライナ危機関連の4回の国連決議(2022年)で賛成していない国
世界全体で見て、「ロシアを否定しない」国々の数はおよそ五つに一つ、その国に住む人口はおよそ2人に1人です。「数」の面で見て、ロシアへの否定はそれほど強いものではないように、感じます。
また、自由民主主義指数に注目すると、対象となる41カ国平均で「0.22」と、「民主的ではない」ことが強くにじみ出ています。ざっくり言えば、「民主的でない多くの人々がロシアを否定していない」ことになります。
民主的であることの対極にある「権威主義的であること」の象徴であるロシアが、民主的でない国を先導している構図が出来上がっているといえそうです。危機勃発がロシアへの求心力を強め、そうした国々が吸い寄せられているように見えます。