今日の為替ウォーキング

今日の一言

自分のシステムがポジション保有を指示したら、自分の衝動が何を言おうとも、小さな利益を実現する誘惑に負けてはいけない

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 先週発表された米国の10月CPI(米消費者物価指数)は、前年比+7.7%(前回+8.2%)で予想よりも低い伸びだった。日米金利差を背景にこれまで一貫して上昇を続けていたドル/円は7円も急落。1日の値動きとしては今年最大で、まさに「CPIショック」だった。今週のPPI(卸売物価指数)も米インフレの減速が明らかで、ドル/円は10月21日の151.95円を頂点に約1ヵ月で137.67円まで14円も円高になった。

 インフレ指標の下落で、マーケットでは米利上げペースダウンの期待が強まり、FOMC(米連邦公開市場委員会)が12月会合で利上げ幅を0.75%から0.50%まで縮めるのはコンセンサスとなっている。

 しかし、FRBメンバーは、一致団結してこの考えを否定する発言をしている。ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁に言わせると、0.50%を「ハト派的利上げ」と見なすのがそもそも間違いということだ。なぜなら「FOMCは1983年から合計88回利上げをしてきたが、そのうち75回は0.5%より低かった」からだ。

 17日はFOMCでも最もタカ派で、投票権を持つブラード・セントルイス連銀総裁が、「十分に引締め的な金利水準とは5%から7%である」と発言した。マーケットのFF金利予想は4.75%よりかなり高い水準を予想している。

 ブラックアウト期間が明けてFOMCメンバーの発言が活発化している。インフレを巡る経済データとFRBメンバーの発言でドル/円は右往左往しているが、来週公表されるFOMC議事録は、今後の利上げの道筋により詳しいデータを提供してくれるはずで、ドルの方向も来週にははっきりしてくるだろう。 

 

今週の 注目経済指標

出所:楽天証券作成