株式は確かに怖いけど、他のものと混ぜればOK!でもない

 話を戻すけど、株式だけでは怖いからといろいろなものを混ぜる分散投資には、デメリットもあるって話だ。簡単に言えば「たくさんのものに分散すればするほど、日々のブレというリスクは確かに分散されるが、リターンの方も分散されて凡庸になりがち」ということ。

 確かに株式100%なんて怖い感じがするから、たくさんのものに分散したくなるのが人情。具体的には、株式とは性質が異なる債券と混ぜるのがいいとされている。1つの投信の中で最初から混ざってるタイプを「バランスファンド」って言うんだけど、確かに日々の値動きはマイルドになることが多い。

 でも、株式全体が仮に10年後になんと2倍になったとしても、株式と債券に例えば半々に分散するバランスファンドでは、その基準価額、投信の値段は2倍にはなれてない。株式だけに100%投資するタイプのファンドなら基本的に、その恩恵に100%あずかれる、株式に50%・債券に50%と分散するバランスファンドだったら、株式のせっかくの2倍の上昇は半分の50%上昇分しかゲットできないことになる。わかるよね。混ぜれば正解かというと、そう簡単ではない。

 混ぜればいいかどうかは目的による。君らの目的が「20年後にしっかりした額のお金を手にした余裕ある家族になっている」ことなんだとしたら、株式100%の株式ファンドにするというのは、悪くないアセットアロケーションだと僕は思う。全然アセットをアロケートしてないけど。ただ、親とはいえ所詮は他人の意見なので、決めるのは自分たちで。

会社の確定拠出年金はどうしてる?

 ところで、2人の会社には確定拠出年金の制度はある?

 企業型確定拠出年金、DCとか日本版401kと言われることもある。簡単に言えば退職金制度。会社が給料の他に、従業員の老後のために毎月お金を出してくれて、退職時に渡してくれる。お金は会社が出してくれるんだけど、退職時までの運用方法は個人に委ねられてて、会社が用意したリストから投資信託を選ぶことになる。

 実は、みんな最初に会社の説明会を聞くんだけど、そのときはよくわからなくて「怖いから元本確保型っていうのにしておこう。株式なんて怖いし」ってなっている人が結構いると聞く。

 これは、かなりよろしくない。企業を超えた大きな問題とされている。

 自分たちの確定拠出年金の中身、どうなってるかわかるだろうか? きっと、机の引き出しのどこかに「DCナントカ」っていうウェブサイトの案内の紙があるはずだから探してみてほしい。そこに何のファンドを選んで、今どうなっているかが出ている。

 パスワードとかが分からなくてログインできなかったりしがちだけど、ぜひこの機に時間とって人事に相談するなどして何とかログインしてほしい。そこでどういうファンドを選んでいたのか教えてほしい。

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