若い夫婦二人なら「株式100%」が基本で大丈夫

 前回話したのは、商品選びは最後の最後でいい、ということ。まず最初に考えるべきは毎月の積立金額。いかに「本気の積立」を夫婦2人で平等にセットできるか。そして2番目が投資資産の決定。難しい言葉で言うと「アセットアロケーション」だよ、って話だった。

 少し前に話したように、投資信託には「株式だけに投資します!」っていう株式ファンドから、「株だけじゃ何なんで、債券で守りも入れときます!」のバランスファンド、「株なんて怖いものは一切入れません!」という債券ファンドまでいろいろある。いろいろありすぎて、日本で何千本もの投資信託がある。

 そうした中、株式と債券とその他にも・・・など、複数の資産を組み合わせることをアセットアロケーション(資産配分)と言ったりする。

 でも、君たちのような夫婦二人の場合、20年後とか30年後をゴールとした積立を考えているわけなので、シンプルに株式100%の株式ファンドだけでいいよ、と言っておく。つまり「アセット」は「アロケート」しなくていい、株式というアセットへの「全振り」でいい。

 僕のこの一連の話はひとつの意見としてフラットに聞いて、あとは2人で相談して決めてくれるなら、結論は何でもいい。前にも言ったけど、細かい違いはあれど「預金に放置のノーアクション」に比べればすばららしい結果となるはずだし、乱暴に言えばどれも大体同じ方向に動くものだし、結局のところ、今後の市場環境頼みという意味では運次第。

 ただ、長期戦において中途半端な腹の括り方だとブレて失敗してしまう可能性が高いので、前向きに潔く、株式100%のファンドにする覚悟を持ってもらいたいと思っている。ちなみに、僕の会社では「前を向く人の、投資信託。」というキャッチコピーをここ何年か使ってるんだが、それは「投資信託は、一度は元本割れします」ということが、暗黙の前提になっている言葉。リスクを取って、将来のリターンを得る、前を向くということには、覚悟が必要だ。