今日の為替ウォーキング
今日の一言
世の中の認識が、「コップに水が半分入っている」から「半分空である」に変わるとき、イノベーションの機会が生まれる - ピーター・ドラッカー
Everybody
FRBが強烈な利上げを続けても、米国の雇用市場が堅調さを維持しているのは、米国経済の強さを物語っている。日本では、日本経済が崩壊するからといって、日銀は利上げどころか緩和政策の微調整さえできずにいる。
雇用市場が好調のままでインフレ率が低下するならば、米経済のソフトランディングも夢ではない。「物価の安定」と共に「雇用の最大化」を法的使命(マンデート)として掲げるFRBにとっては、さぞや喜ばしい事だろうと思っていたら、実はそうではないらしい。それどころか「まじヤバくね」と警戒感をあらわにしている。
米雇用市場における求人数の多さは、米雇用市場がオーバーヒート状態になっていることを示す。パウエルFRB議長とすれば、労働市場が均衡に近づくまで求人需要が減ってほしいのだ。
なぜなら、極端な売り手市場の状況で従業員を確保するためには、高い給料を提示するしかない。労働コストは最終的に価格に転嫁される。雇用市場が過熱するほど、インフレ率も上昇するというわけだ。
そうなれば、FRBは利上げを続けるしかない。利上げという劇薬を使い続けることで、いつかはインフレも収まるだろうが、その前に副作用で米経済がリセッションに陥るだろう。最悪なのは、景気が後退していく中でインフレが同時進行する「スタグフレーション」が発生することだ。
この最悪のシナリオを回避するベストシナリオは、働き手が増えることだ。パウエルFRB議長もそれを期待していた。しかし最近では「労働力参加率が新型コロナ前の水準に戻ることはない」と悲観的な見解を示している。そうすると、雇用者の増加を抑えることしか方法は残っていない。
今夜発表される11月雇用統計の詳しい解説については「ついに始まった、IT企業の非情リストラ!雇用拡大、終わりの始まりか」をご覧ください。