今週の指標:NYダウ(ダウ工業株30種平均)

 ドル高、高インフレと同時に景気後退リスクの上昇で消費の鈍化が懸念される中、主要企業の四半期決算発表が始まります。そのため企業の業績見通しが注目となります。また、金利動向やFRBの利上げを巡る思惑が相場を左右する状況が続くことになります。これまで想定された以上に大幅な利上げが織り込まれつつあり、金利高を警戒した売りが相場の上値を抑えそうです。

先週の動き

 前々週末の10月7日(金)の9月雇用統計の結果を受け、FRBの積極的利上げ必要との見方から、NYダウは▲630ドルの2万9,296ドルまで下げました。先週は週半ばまでは下値を探る動きとなりました。

 13日(木)には9月CPIが予想を上回る結果を受けて、いったん▲549ドルの2万8,660ドルまで急落しましたが、その後、ショートカバー(買い戻し)の利益確定をきっかけに+827ドルの3万38ドルと大幅反発しました。しかし、週末の14日(金)は、長期金利の上昇を受けて▲403ドルの2万9,634ドルと反落して引けました。

今週の指標:ドル/円

 FRBによる金融引き締め加速への期待感から、ドル高・円安基調が引き続き見込まれる。金利先高感を背景にドル買いに振れやすい。一方で急速な円安を懸念して日本政府による円買い介入が再び実施される可能性があるため、リスク選好的なドル買い・円売りは縮小する可能性があり、ドルは上げ渋りとなることも想定されます。

先週の動き

 先週は、徐々に円安方向の動きとなり、週末は一気に148円台の円安で引けました。

 週始めは144円台後半の動きからスタートし、11日(火)には、13日(木)発表の米9月CPIへの警戒感から金利が上昇し、この日は1ドル=146円台と1998年以来24年ぶりの円安となりました。

 13日(木)には米9月CPIが予想を上回る結果を受けて、1ドル=147円台となり、さらに週末の14日(金)は、ミシガン大学の1年先期待インフレ率の伸びを受け、10年債利回りが一時4.08%まで上昇し、ドルは148.88円まで買われました。円は急落となって32年ぶりの円安更新となりました。