今週の予想

今週は、2万6,200~2万7,000円のレンジでのもみあいか

 先週は、先週末の日経平均株価が2万7,000円台を回復したことで、市場では2万7,000円台の値固めから上への見方も出ていましたが、結局、現状の大幅な上下動はテクニカル的な要因が大きいとしていましたように、その流れが続いています。

 結局、先週末の14日(金)の引け後の米国市場では、FRB(米連邦準備制度理事会)の今後の積極的な利上げ見通しが強いとの見方から長期金利が上昇し、ドルが買われて1ドル=148.88円まで上昇し、32年ぶりの円安となりました。

 これを受けてシカゴの日経先物が▲425円の2万6,625円となっていますので、当面は2万7,000円水準が上値のフシとなりそうです。目先は米企業の決算発表シーズンが到来しているため、注目企業の決算が材料となりそうです。

 日本でも10月下旬から本格化する7-9月期決算を見据えて業績相場の色合いが強くなる可能性があります。32年ぶりの円安進行となっていますので、円安で恩恵を受けるものを中心に上方修正期待の銘柄に資金が向かいやすくなります。

 現状のチャートは、テクニカル的に大きな上下動を繰り返していますが、年初からのチャートは、日米ともに右肩下がりのトレンドを継続しています。

 上昇に転じるのは、米国のインフレの兆候が収まるのを待つことになります。今のところ日経平均のポイントは、下値は10月3日(月)の安値2万5,621円、上値は10月6日(木)の高値2万7,399円であり、2万5,621円を切ると下へ、2万7,399円を上にぬけると上昇へとなります。

今週の指標:日経平均株価

 先週末の+853円の2万7,090円と2万7,000円台回復を受け、2万7,000円台の値固めの見方もありましたが、週末のNY市場が大幅反落し、シカゴの日経先物が▲425円の2万6,625円となったことで、目先は2万7,000円水準が上値のフシとなります。

 そうなると2万6,200~2万7,000円のレンジでのもみあいとなりそうです。円安進行に伴い業績相場の見方では上方修正期待銘柄が買われることになります。

先週の動き

 9月30日(金)の2万5,805円を安値に10月6日(木)に2万7,399円の高値をつけ、先週は、ここからいったん調整入りとなりました。

 3連休明けの10月11日(火)は、連休中の米株安を受け▲714円の2万6,401円となり、13日(木)まで4日続落の2万6,237円で引けました。しかし、引け後の米国市場で9月CPI(消費者物価指数)が発表され、予想を上回ったことで▲549ドルと急落しましたが、その後、買い戻しをきっかけに大幅反発となり+827ドルの3万38ドルとなりました。

 これを受けて14日(金)の日経平均は、+853円の2万7,090円と大幅反発して引けました。しかし、週末の米国市場では、ダウ工業株30種平均は▲403ドルと反落し、シカゴの日経先物は▲425円の2万6,625円となっています。

今週の指標:NYダウ(ダウ工業株30種平均)

 ドル高、高インフレと同時に景気後退リスクの上昇で消費の鈍化が懸念される中、主要企業の四半期決算発表が始まります。そのため企業の業績見通しが注目となります。また、金利動向やFRBの利上げを巡る思惑が相場を左右する状況が続くことになります。これまで想定された以上に大幅な利上げが織り込まれつつあり、金利高を警戒した売りが相場の上値を抑えそうです。

先週の動き

 前々週末の10月7日(金)の9月雇用統計の結果を受け、FRBの積極的利上げ必要との見方から、NYダウは▲630ドルの2万9,296ドルまで下げました。先週は週半ばまでは下値を探る動きとなりました。

 13日(木)には9月CPIが予想を上回る結果を受けて、いったん▲549ドルの2万8,660ドルまで急落しましたが、その後、ショートカバー(買い戻し)の利益確定をきっかけに+827ドルの3万38ドルと大幅反発しました。しかし、週末の14日(金)は、長期金利の上昇を受けて▲403ドルの2万9,634ドルと反落して引けました。

今週の指標:ドル/円

 FRBによる金融引き締め加速への期待感から、ドル高・円安基調が引き続き見込まれる。金利先高感を背景にドル買いに振れやすい。一方で急速な円安を懸念して日本政府による円買い介入が再び実施される可能性があるため、リスク選好的なドル買い・円売りは縮小する可能性があり、ドルは上げ渋りとなることも想定されます。

先週の動き

 先週は、徐々に円安方向の動きとなり、週末は一気に148円台の円安で引けました。

 週始めは144円台後半の動きからスタートし、11日(火)には、13日(木)発表の米9月CPIへの警戒感から金利が上昇し、この日は1ドル=146円台と1998年以来24年ぶりの円安となりました。

 13日(木)には米9月CPIが予想を上回る結果を受けて、1ドル=147円台となり、さらに週末の14日(金)は、ミシガン大学の1年先期待インフレ率の伸びを受け、10年債利回りが一時4.08%まで上昇し、ドルは148.88円まで買われました。円は急落となって32年ぶりの円安更新となりました。

先週の結果

先週は、前々週の下げを大きく取り戻す2万7,000円台を回復

 先週の予測としては、前週末のNYダウの大幅反発後の様子をみるところとしました。日米ともに10月相場で急反発となっており、NYダウは9月30日(金)の安値2万8,715ドルから10月5日(水)の3万454ドルと4日間で1,739ドル(6.0%)の反発。これにつれて日経平均も10月3日(月)の安値2万5,621円から6日(木)の高値2万7,399円まで4日間で1,777円(6.9%)の反発でした。

 これはテクニカル的な要因が大きく、これを受けて先週は9月雇用統計が好調だったことで、FRBの金融引き締めが強まり、再び下げ圧力が出てくることになるとしました。13日(木)の米9月CPIも控え様子見が強まってくることになるとしました。結果的には、テクニカル的な大きな上下動が続くことになりました。

 日経平均は、6日(木)の2万7,399円を高値に先週は13日(木)に2万6,237円まで下げ、週末の14日(金)は、NYダウが好調な消費者物価指数を受け、一時▲549ドルの2万8,660ドルまで下げるものの、ショートポジション(カラ売)の利益確定をきっかけに急反発となって、+827ドルの3万38ドルと一気に3万ドル台を回復しました。

 これを受けて先週末の日経平均は+361円で寄り付くと、そのまま大幅上昇となり、円安基調、時間外での米株先物高、アジア株高にサポートされました。

 基本的にはショートカバー(買い戻し)が主体で、13日(木)の米国の9月CPIが警戒されていましたが、NYダウの動きをみる限り、急落、急騰となり、目先的なアク抜け感が出た形となりました。日経平均もNYダウの動きに連動しており、さらに上値を追っていくには支援材料が必要となります。

 日経平均の日足は、10月3日(月)の安値2万5,621円から6日(木)の高値2万7,399円まで一本調子の上昇となっており、13日(木)に2万6,237円まで下落して、14日(金)は、2万7,180円まで上昇し、終値は+853円の2万7,090円で引けています。テクニカル的には、6日(木)の高値2万7,399円を終値でぬくと上放れの形となりますが、今の相場環境では難しいかもしれません。

 週末の14日(金)の米国市場は、この日ミシガン大学が発表した10月の期待インフレ率が、1年先、5年先とも9月の確定値から上昇したことで、FRBによる大幅利上げ継続に伴う景気悪化後退が重しとなり、NYダウは▲403ドルの2万9,634ドル、ナスダック総合指数は▲327Pの1万321Pと大幅反落となりました。

 長期金利が上昇し、ドルが買われて円は一時148.88円と32年ぶりの円安進行となりました。シカゴ日経先物は▲425円の2万6,625円でした。