今日の為替ウォーキング

今日の一言

相場の世界で能力が果たす役割は小さい。どれだけ知識を持っているか、どれだけ情報を知っているかで勝負が決まることが多いのだ

Fight For Your Right

 マーケットはもちろん、来月初めに政策会合を開くFRBも注目しているであろう9月のインフレ率は、自動車生産台数の増加や輸送コストの下落、そしてサプライチェーンの回復を背景に中古車価格や新車価格の下落が続いていることや、その他コア商品の価格が落ち着いてきているため、伸びが鈍化する見通しだ。その一方で、テナント家賃は引き続き大幅に上昇する予想となっている。

 CPIを構成するバスケットの1/4を占めているのがOER(帰属家賃)である。持ち家の帰属家賃とは、自己が所有する住宅(持ち家住宅)に居住した場合、家賃の支払は発生しないものの、通常の借家や借間と同様のサービスが生産され、消費されるものと仮定して、それを一般の市場価格で評価したものである。

 利上げがOERを上昇させ、結果としてCPIインフレ率が高くなるという悪循環が発生している。ところが、OERは仮定のコストだから、CPIの数字が示すほど実際の物価は上昇していないし、消費力も落ちていない。CPIインフレと実際の生活コストとのかい離も大きさも問題になっているのだ。

 バイデン大統領は、米国のインフレ率は「容認し難い高さだ」と強い懸念を示している。FRBは全力でインフレと戦っている。ところが、FRB(米連邦準備制度理事会)の利上げ政策は、全てとはいわないが、かなりの部分が来月の中間選挙を意識したバイデン政権の「ハト派的な財政措置」によって相殺されているのだ。連邦政府による大学生ローンの返済を一部免除する計画もそのひとつだ。貯蓄の増加と債務の減少が相まって、インフレ率を0.1から0.3ポイント押し上げる効果があるといわれる。

今週の 注目経済指標

出所:楽天証券作成