今日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは148.40

下値メドは144.90

FRB:利上げを「データ次第」と変更したことで、選択肢を増やした
FRB:インフレを抑制するには「需要を抑制するしかない」 
FRB:失業率が低いうちに利上げをできるだけする
FRB:デイリー連銀総裁「半年から1年は高金利を維持」
FRB:フォワードガイダンスは金融引き締め時には役に立たない
インフレ:米家庭の50%が「余計な出費を控える」
ロシア:コソボ大統領「欧州を不安定化させることがプーチンの目標」
中国経済: GDP5.5%達成は、もはや目標というより願望 
ユーロ:欧州企業が採用計画を縮小方向で見直し 
ユーロ:欧州企業から楽観見通し消える。ドイツとイタリア企業が深刻  
台湾:英国会議員(Member of Parliament)、今年後半に台湾訪問を検討中 

 10月12日(水曜)のドル/円は、6営業日連続で「円安」。
 1日のレンジは145.71円から146.97円。値幅は1.26円。 

 2022年203営業日目は145.76円からスタート。安値は 東京時間朝につけた145.71円。始値からほとんど下がることなく上昇を続け、未明には146.97円をつけて1998年8月以来24年ぶりの高値を更新した。円安勢力を保ったまま終値は146.92円(前日比+1.07円)。

レジスタンスは、
146.44円(10/12)
147.63円(1998.09)
149.25円(1990.07)

サポートは、
145.71円(10/12)
145.42円(10/11)
145.24円(10/10)

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

 今夜は米国の9月CPI(消費者物価指数)の発表がある。

 CPIの結果は米国の利上げと密接に関係していて、米国の利上げは世界の金融資産と密接に関係しているから、マーケットは緊張感をもって注視していかなければならない。

 ここ数カ月のドル/円は、雇用統計以上にCPIに対する反応が大きくなっている。下のグラフが示すように9月のドル/円は、1時間単位のボラティリティ(値幅)が最も大きかったのは、為替介入の時の3.6%だったが、その次はCPI発表時の2%だった。FXだけではなくNY市場のダウ平均は360ドル超下げた。「CPIショック」と名付けた人もいたくらいだ。

 といっても、8月のCPIが大幅に上昇したわけではなかった。前月比で0.1%上昇した(7月0.0%)程度だったが、米国のインフレは峠を越したとの楽観ムードが漂うなかでの出来事だったことで、強いサプライズとなった。

 今月のCPIの事前予想は、前月比+0.2%(前回+0.1%)、前年比+8.1%(前回+8.3%)。先月の「ショック」を経験してマーケットは身構えている。だが、予想以上に低下した場合は為替介入が行われても不思議ではない水準に位置していることもあって、急落の引き金になるリスクもある。

 今夜のCPIについての解説は次ページをご覧ください。

主要指標 終値

出所:楽天証券作成

今日の為替ウォーキング

今日の一言

相場の世界で能力が果たす役割は小さい。どれだけ知識を持っているか、どれだけ情報を知っているかで勝負が決まることが多いのだ

Fight For Your Right

 マーケットはもちろん、来月初めに政策会合を開くFRBも注目しているであろう9月のインフレ率は、自動車生産台数の増加や輸送コストの下落、そしてサプライチェーンの回復を背景に中古車価格や新車価格の下落が続いていることや、その他コア商品の価格が落ち着いてきているため、伸びが鈍化する見通しだ。その一方で、テナント家賃は引き続き大幅に上昇する予想となっている。

 CPIを構成するバスケットの1/4を占めているのがOER(帰属家賃)である。持ち家の帰属家賃とは、自己が所有する住宅(持ち家住宅)に居住した場合、家賃の支払は発生しないものの、通常の借家や借間と同様のサービスが生産され、消費されるものと仮定して、それを一般の市場価格で評価したものである。

 利上げがOERを上昇させ、結果としてCPIインフレ率が高くなるという悪循環が発生している。ところが、OERは仮定のコストだから、CPIの数字が示すほど実際の物価は上昇していないし、消費力も落ちていない。CPIインフレと実際の生活コストとのかい離も大きさも問題になっているのだ。

 バイデン大統領は、米国のインフレ率は「容認し難い高さだ」と強い懸念を示している。FRBは全力でインフレと戦っている。ところが、FRB(米連邦準備制度理事会)の利上げ政策は、全てとはいわないが、かなりの部分が来月の中間選挙を意識したバイデン政権の「ハト派的な財政措置」によって相殺されているのだ。連邦政府による大学生ローンの返済を一部免除する計画もそのひとつだ。貯蓄の増加と債務の減少が相まって、インフレ率を0.1から0.3ポイント押し上げる効果があるといわれる。

今週の 注目経済指標

出所:楽天証券作成

今日の注目通貨:ユーロ/ドル

予想レンジ ↑1.0464ドル  ↓0.9141ドル

 今週のユーロ/ドルのピボット(ブルベア判断の分かれ目)は0.9803ドル。
0.9803ドルより上ならばドル買い優勢、0.9803ドルより下ならばドル売り優勢。

2022年現時点の高値は1.1495ドル、安値は0.9536ドル。平均値は1.0515ドル。
1日の最大値幅は0.0220ドル、平均値幅は0.0099ドル。
2022年の値幅は0.1959ドル。
2021年の終値(1.1378ドル)に比べて0.1325ドルのユーロ安。

1.0717ドル    : 第4レジスタンス(HBO)    
1.0515ドル    :    2022年 平均値
1.0464ドル    : 第3レジスタンス    
1.0212ドル    : 第2レジスタンス    
1.0198ドル    : 09月 高値
1.0134ドル    : 第1レジスタンス    
1.0000ドル    : 10月 高値
0.9867ドル    : 09月 平均値

0.9803ドル : ピボット

0.9536ドル    :     09月 安値 
0.9472ドル    : 第1サポート    
0.9394ドル    : 第2サポート    
0.9141ドル    : 第3サポート    
0.8888ドル    : 第4サポート(LBO)    

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

2022年 ユーロ/ドル データ