今日の為替ウォーキング

今日の一言

成功とは、失敗から失敗へと情熱を失わずに進む能力のことだ – ウインストン・チャーチル

September

 14日のNY市場のドル/円は、米CPIの発表後、わずか1時間で300ポイントも円安に動いた。9月からすでに600ポイント以上も円安が進んでいる。このペースが続くなら月末までにドル/円は150円に到達することになる。

 鈴木財務相は、足元の円相場について「かなり激しい動きがある」と述べ、こうした状況が続けば「あらゆる手段を排除せず、やるべきことをやる」との考えを示した。

 日本のメディアは、日銀が「レートチェック」をしたことを、為替介入の準備段階として大きく報じている。海外マーケットも一応警戒はしているが、チェックだけして何もしないのはこれまでのパターンだ。鈴木財務相はドル/円が130円台の時にも「(介入の)可能性を排除しない」と述べている。次に可能性を排除しないのは150円台かもしれない。

 円安を止めるための「円買い介入」はあるのか?可能性はゼロではないが、実現性は低いと考える。

 そもそもこの円安の原因は、先進国の中央銀行が利上げに向かう中で日銀だけが大規模な緩和政策を継続しているからだ。円安の根本原因をそのままにして介入すれば、かえって円相場が無秩序になるリスクを高め、通貨を安定させるという介入の目的に反することになってしまう。円安を本当に止めたいなら、介入に頼る前に、日銀が金融政策を見直さなくてはいけないことは明らかだ。

 外国為替は二国間の通貨の交換である。円買いイコール、ドル売り、あるいはユーロ売りだ。FRB(米連邦準備制度理事会)を含めて世界の中央銀行は、経済成長を犠牲にしてまでインフレ抑制を優先している。「(経済成長のための)超低金利は続けるけれど、(インフレが悪化する)円安はいやだ。」という政府日銀の主張が世界の中央銀行に理解されるだろうか。

今週の 注目経済指標

出所:楽天証券作成