今日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは146.15

下値メドは140.10

カニバリゼーション:自社のある商品が売れることで、別の商品の売り上げが減る共食い現象のこと
日本経済:物価高を相殺するような賃金上昇は望めない。実質賃金の低下続く
米リセッション:米国人の70%が「米国はすでに景気後退」
米中関係:対中関税撤廃はインフレ低減効果なし。米国内の小売価格が安くなる可能性低い  05-07-2022
雇用市場:求人数の多さは雇用の保証につながり、貯蓄を崩して消費する安心感を高める
ドイツ:エネルギー危機宣言を発令
英国:英国は長期投資先として不適切。政治不安定とブレグジット完了に10年以上。
スイス:インフレが24年ぶりのスピードで上昇中
ゼロ金利:ECBは長い間、ゼロ金利をやめる機会を伺っていた
トルコリラ:外国人投資家のリラ建債券の保有率が過去最低に

 9月14日(水曜)のドル/円は「円高」。
 1日のレンジは142.55円から144.95円。値幅は2.40円。

 2022年183営業日目は144.55円からスタート。前日発表された米8月のインフレ率は、予想に反して上昇した。FOMC(米連邦公開市場委員会)が来週の会合で0.75%利上げを実施する確率はほぼ100%に高まり、マーケットはすでに0.85%利上げまで織り込んでいる。利上げだけではなくFOMCが高金利を「長期間」続けるとの思惑でドルが上昇した。

 朝に144.95円まで一気に2円近く進んだ円安に対して政府・財務省が警戒感を露わに示したことで145円を目前にして1円近く下落した。しかし日銀が買いオペ増額を発表したことで、下落は限定的だった。

 日銀のレートチェックの噂をメディアが報じると、その後は円売りが慎重になり未明には142.55円まで円高に動いた。終値は143.17円(前日比▲1.37円)。この日は大きく円高に動いたが、CPI(消費者物価指数)発表前に比べると、まだ50ポイント近く円安水準にある。

レジスタンスは、
144.95円(09/14)
144.99円(09/07)
147.63円(1998)

サポートは、
142.70円(200時間移動平均)
142.55円(09/14)
141.60円(09/13)
141.49円(09/09)

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

主要指標 終値

出所:楽天証券作成

今日の為替ウォーキング

今日の一言

成功とは、失敗から失敗へと情熱を失わずに進む能力のことだ – ウインストン・チャーチル

September

 14日のNY市場のドル/円は、米CPIの発表後、わずか1時間で300ポイントも円安に動いた。9月からすでに600ポイント以上も円安が進んでいる。このペースが続くなら月末までにドル/円は150円に到達することになる。

 鈴木財務相は、足元の円相場について「かなり激しい動きがある」と述べ、こうした状況が続けば「あらゆる手段を排除せず、やるべきことをやる」との考えを示した。

 日本のメディアは、日銀が「レートチェック」をしたことを、為替介入の準備段階として大きく報じている。海外マーケットも一応警戒はしているが、チェックだけして何もしないのはこれまでのパターンだ。鈴木財務相はドル/円が130円台の時にも「(介入の)可能性を排除しない」と述べている。次に可能性を排除しないのは150円台かもしれない。

 円安を止めるための「円買い介入」はあるのか?可能性はゼロではないが、実現性は低いと考える。

 そもそもこの円安の原因は、先進国の中央銀行が利上げに向かう中で日銀だけが大規模な緩和政策を継続しているからだ。円安の根本原因をそのままにして介入すれば、かえって円相場が無秩序になるリスクを高め、通貨を安定させるという介入の目的に反することになってしまう。円安を本当に止めたいなら、介入に頼る前に、日銀が金融政策を見直さなくてはいけないことは明らかだ。

 外国為替は二国間の通貨の交換である。円買いイコール、ドル売り、あるいはユーロ売りだ。FRB(米連邦準備制度理事会)を含めて世界の中央銀行は、経済成長を犠牲にしてまでインフレ抑制を優先している。「(経済成長のための)超低金利は続けるけれど、(インフレが悪化する)円安はいやだ。」という政府日銀の主張が世界の中央銀行に理解されるだろうか。

今週の 注目経済指標

出所:楽天証券作成

今日の注目通貨:ユーロ/円

今週の予想レンジ ↑148.54円  ↓136.47円

 今週のユーロ/円のブルベアの分かれ目は142.50円。
142.50円より上ならばユーロ買いが優勢、142.50円より下ならばユーロ売りが優勢。

2022年現時点の高値は145.64円、安値は124.39円。平均値は135.01円。
1日の最大値幅は4.09円、平均値幅は1.46円。
2022年の値幅は20.34円。
2021年の終値(130.96円)に比べて12.34円のユーロ高。

150.84円    : 第4レジスタンス(HBO)    
148.54円    : 第3レジスタンス    
146.23円    : 第2レジスタンス    
145.64円    :     2022年高値
145.52円    : 第1レジスタンス    

142.50円 : ピボット

142.16円    :     09月 平均値
139.49円    : 第1サポート    
138.69円    :     09月 安値
138.77円    : 第2サポート    
136.47円    : 第3サポート    
134.56円    :    2022年平均値
134.16円    : 第4サポート(LBO)    

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

2022年 ユーロ/円データ