今週の指標:NYダウ(ダウ工業株30種平均)
今週は、FRB(米連邦準備制度理事会)の金融政策を左右するCPIやPPI(生産者物価指数)の重要インフレ指数に加え、小売売上高の発表が注目となります。原油価格が6月に高値をつけて下落傾向にあり、小売売上高で消費の低下が示されればインフレ高進が低下することになり、株価にとってプラスとなります。
ただし、インフレ期待が後退してもインフレ抑制へのFRBの断固としたスタンスは変わらないとの見方が強く相場の上昇は限定的ともいえます。
先週の動き
先週の予測では、NYダウは年初の1月5日の3万6,952ドルの高値から6月17日の2万9,653ドルまで下げ、ここから8月16日に3万4,281ドルまで反発して、ここで下げ幅の61.8%戻しとなって下落に転じて9月6日に3万1,048ドルまで下げました。
7月14日の3万143ドルを試すかと思われましたが、9月7日(水)の米株式は、原油価格、長期金利の低下を受けて、NYダウの+435ドルの3万1,581ドルをはじめ主要3指標が大幅上昇となりました。ナスダックも続伸しました。週末のNYダウは、ドル高の流れが一服したことで+377ドルの3万2,151ドルと3日続伸しました。
今週の指標:ドル/円
今週のドル・円は、もみあいか、もしくは米インフレ高進を受けFRBの金融引き締めの長期化を織り込んだドル買いが継続する可能性があります。
一方で日本政府・日本銀行の円売りけん制もあり、FOMCを20~21日に控えて様子見となる可能性もあります。今週はリスク選好的なドル買い・円売りが大きく広がる可能性は低いとの見方が多いようです。
先週の動き
先週は、週始めに140円近辺まで下げたものの、FRBによる大幅追加利上げ観測が広がったことから、9月7日(水)に欧米市場で1998年8月以来となる144.98円までドル高・円安が進行しました。
しかし、8日に日本政府・日銀が「あらゆる措置を排除せず準備している」と円安けん制をしたことで、ドル高は一服し、一時142円を下回る場面がありました。9日には142.82円まで買われましたが、FOMCを前にリスク回避的なドル売り・円買いは縮小し、142.55円で週の取引を終えました。