今週の予想

今週は、米国株式の反発が続くかどうかみるために、13日の米8月消費者物価指数に注目

 先週の後半は、米国株が原油安や長期金利の低下を好感して、インフレ圧力の緩和が意識され、3日連続の急反発となり、これに連動して日経平均株価は、8日(木)にはメジャーSQを前にカラ売りの買い戻しもあり、600円を超える上昇となって、2万8,000円台を回復しました。

 週末は2万8,214円で引けましたが、目先は3月25日の2万8,338円、6月9日の2万8,389円の高値のフシがあり、2万8,300円台は上値が重いところですが、米国市場の反発がどこまで続くかによります。

 今週は、13日の日本時間の夜に米国の8月CPI(消費者物価指数)が発表されますが、ここでインフレ鈍化が確認されれば、米国市場は強気ムードが一段と増す可能性があり、そうなると日経平均にも追い風となります。

 日経平均は、円安がサポート要因になっていることで、目先、円安一服となって円高方向が継続すれば、日経平均の上値は重くなりますが、これから外国人の受け入れが2万人から5万人に増えたことで、インバウンド(訪日外国人観光客)の受け入れ本格化も視野に入ってきますので、全体相場は相対的に堅調な動きも期待されます。

 目先のチャートの動きをみると、8月17日の高値2万9,222円から9月7日の2万7,268円まで約3週間で1,954円も下げて、2万7,400円台に控えていた200日移動平均線と75日移動平均線に到達しました。

 このタイミングで7日のダウ工業株30種平均が+435ドルと反発し、ナスダック総合指数も8日ぶりに+246Pと反発したことで、8日の日経平均はメジャーSQを翌日に控えており、カラ売りの買い戻しや先物買いを交えに、+634円の2万8,065円と大きく上昇し、週末は+149円の2万8,214円で引けました。

 下げ幅の1/3戻しを超え半値戻し(2万8,245円)に接近しており、この水準には25日線がありますので、ここをぬけると2万8,300円台を試し、次に2万8,500円台を試すことになります。このカギを握るのは米国株となりますので、このまま米国株の反発が継続するのかどうか、まずは13日の米8月CPIをみることになります。

今週の指標:日経平均株価

 今週は、日本時間の13日の夜に発表される米8月CPIが注目となります。インフレの鈍化が確認されれば米国市場は引き続きマーケットの強気ムードが増し、株価の反発が継続し日経平均にもプラス要因となります。

 ただし、円安一服が続くようだと株価の上値は重くなる可能性があります。目先はチャートをみてわかりますように3月25日の2万8,338円、6月9日の2万8,389円の高値をぬいてくると2万8,500円台を試すことになります。

先週の動き

 先週の予測では、9月20~21日のFOMC(米連邦公開市場委員会)や週末のメジャーSQを前に上値の重い展開としました。

 週始めは米株の下落が続いたことで、7日(水)はSQの週、特有の売り仕掛けもあって、一時▲357円の2万7,268円まで下げ、終値では下げ渋って▲196円の2万7,430円でした。

 この日の引け後の米国市場は、大幅反発となり日経平均も連動して8日(木)は+634円の2万8,065円と1週間ぶりに2万8,000円台を回復しました。

 週末も米国株の上昇に連動し、+149円の2万8,214円で引けました。2万8,300円台は上値が重くなるところです。

今週の指標:NYダウ(ダウ工業株30種平均)

 今週は、FRB(米連邦準備制度理事会)の金融政策を左右するCPIやPPI(生産者物価指数)の重要インフレ指数に加え、小売売上高の発表が注目となります。原油価格が6月に高値をつけて下落傾向にあり、小売売上高で消費の低下が示されればインフレ高進が低下することになり、株価にとってプラスとなります。

 ただし、インフレ期待が後退してもインフレ抑制へのFRBの断固としたスタンスは変わらないとの見方が強く相場の上昇は限定的ともいえます。

先週の動き

 先週の予測では、NYダウは年初の1月5日の3万6,952ドルの高値から6月17日の2万9,653ドルまで下げ、ここから8月16日に3万4,281ドルまで反発して、ここで下げ幅の61.8%戻しとなって下落に転じて9月6日に3万1,048ドルまで下げました。

 7月14日の3万143ドルを試すかと思われましたが、9月7日(水)の米株式は、原油価格、長期金利の低下を受けて、NYダウの+435ドルの3万1,581ドルをはじめ主要3指標が大幅上昇となりました。ナスダックも続伸しました。週末のNYダウは、ドル高の流れが一服したことで+377ドルの3万2,151ドルと3日続伸しました。

今週の指標:ドル/円

 今週のドル・円は、もみあいか、もしくは米インフレ高進を受けFRBの金融引き締めの長期化を織り込んだドル買いが継続する可能性があります。

 一方で日本政府・日本銀行の円売りけん制もあり、FOMCを20~21日に控えて様子見となる可能性もあります。今週はリスク選好的なドル買い・円売りが大きく広がる可能性は低いとの見方が多いようです。

先週の動き

 先週は、週始めに140円近辺まで下げたものの、FRBによる大幅追加利上げ観測が広がったことから、9月7日(水)に欧米市場で1998年8月以来となる144.98円までドル高・円安が進行しました。

 しかし、8日に日本政府・日銀が「あらゆる措置を排除せず準備している」と円安けん制をしたことで、ドル高は一服し、一時142円を下回る場面がありました。9日には142.82円まで買われましたが、FOMCを前にリスク回避的なドル売り・円買いは縮小し、142.55円で週の取引を終えました。

先週の結果

先週は、安値2万7,268円をつけ、終値は2万8,214円で終わりました

 先週は、9月20~21日のFOMCや週末のメジャーSQを前に上値重く、様子見が続くとしました。

 結果的には、週半ばの7日(水)に米金融引き締めの警戒感が続く中で、米国の主要3指標の下落の流れを受け、SQの週の水曜日はよくみられる仕掛け的な売りが出て、一時、▲357円の2万7,268円まで下げ、終値では下げ渋って▲196円の2万7,430円となりました。

 注目としていた200日移動平均線を7月19日以来に割ったことで、いったん下値を探る展開もあると思われましたが、そうはなりませんでした。

 それは、この日に下げ渋ったことや、この日のあとの米国市場で、NYダウが3日ぶりに大幅反発となり、S&P500種指数も3日ぶりの反発、さらに7日続落中のナスダックも8日ぶりの大幅反発となりました。また、NY原油が1月以来の1バレル=81ドル台へ下げ、長期金利も下げたことで米株の上昇が支えとなりました。

 そうなるとNYダウに連動する日経平均も大きく戻ることになり8日(木)は、+634円の2万8,065円と8月31日以来の2万8,000円台を回復しました。

 そして週末の9日(金)も前日の米株式が主要3指標そろって続伸したことで、日経平均は2万8,286円まで上昇し、後場、後半は2万8,200円台でこう着状態となり終値は+149円の2万8,214円となりました。9月オプションSQ値は2万8,253円でした。

 SQの週は荒い動きになるとしましたが、米国株の上昇もあり日経平均は週半ばで2万7,268円まで下げ、週後半は米国株と円安にサポートされて、週末は2万8,286円まで上昇しました。約1,000円近い値幅の動きとなりました。

 現状では、チャートは2万8,300円水準に近づくと戻り売りが出る上に、週末要因と戻り一服と円高気味になっていることで、上値の重い展開となるところです。欧米の金融引き締めや景気後退が懸念され、ここをぬけても上を目指すことにはならず、基本的には調整局面でのリバウンド中とみた方がよいでしょう。