しぶとい米景気、減速したといっても雇用も景況指数も強い

 9月に発表された8月の雇用統計およびISM(米サプライマネジメント協会)景況指数は、米景気の減速を示しているものの、まだ米雇用は強く、米景気が堅調であることを示すものでした。

 8月の完全失業率は3.7%と、7月より0.2ポイント上昇したとはいえ、ほぼ完全雇用が続いていることがわかります。

完全失業率:2014年1月~2022年8月

出所:米労働省

 非農業部門の雇用者数は、前月比で31.5万人増加しました。増加幅が減ったとはいえ、人手不足の中で、雇用増加が続いていることがわかります。

非農業部門の雇用者増加数(前月比):2019年1月~2022年8月

出所:米労働省

 8月のISM景況指数は、米景気堅調を示すものでした。

ISM景況指数の推移:2018年1月~2022年8月

出所:米国ISM供給公社

 非製造業・製造業ともに、昨年11月以降低下が続いていますが、それでも、景況感の分かれ目である50は上回っています。8月は非製造業の景況が改善、製造業は52.8で横ばいでした。米景気がまだ好調であることを示しています。

 米景気が堅調であることは、日本の景気・企業業績にとってプラス材料です。ただし、FRBが急激な引き締めを続けることによるマイナス影響が懸念されます。