今日の為替ウォーキング

今日の一言

最後に笑うものが一番よく笑う

Life’s Been Good

 8月の米雇用統計の結果は、まちまちだった。

 NFP(非農業部門雇用者数)は、ほぼ事前予想通りの増加数だったが、過去2カ月分は下方修正された。一方で失業率は上昇したが、労働力参加率は改善した。

 BLS(米国労働統計局)が9月2日に発表した8月の雇用統計のNFP(非農業部門雇用者数)は、雇用の増加がヘルスケア業を中心に広範囲の業種に及び、事前予想の30.0万人増をやや上回る31.5万人の増加となった。ただ、過去3カ月の平均値である41.3万人増は下回った。前月分は52.8万人から52.6万人に下方修正となっている。

 失業率は3.5%から3.7%に上がった。一方で労働参加率が62.4%に0.3%上昇した。労働参加率は新型コロナ感染流行前の2020年2月よりも1.0ポイント低く、まだその差を埋められていないが、働き手が徐々に労働市場に戻ってきているのは良い傾向といえるだろう。平均労働賃金は、前月比0.3%増で上昇率が鈍化。前年比は5.2%増で高止まりしている。

 全体としては、マーケットをどちらかの方向へ動かすような決定打とまではいかなかった。ただ、これ以上の過激な利上げは必要ないだろうという意味では、少なくともFRBにとっては良い内容だったのではないか。次の大きな指標はCPI(消費者物価指数)だが、インフレ率はピークアウトしたとの見方が多い。今回の雇用統計の結果と合わせて、FOMC(米連邦公開市場委員会)までは積み上げたドル買いポジションを軽くする動きになるのではないか。

 8月雇用統計の詳しい解説は「ヒトの在庫減らしがこれから始まる!「働かない」から、「働けない」時代へ」をご覧ください。

今週の 注目経済指標

出所:楽天証券作成