想定以上に強い動きとなった日本株マーケット
足元の日経平均株価は6月9日の直近高値2万8,389円75銭を超えて力強い上昇をみせ、8月17日には2万9,222円77銭まで上昇しました。
これは今年1月5日の年初来高値である2万9,388円16銭にあとわずかという水準です。
また、個別銘柄をみても年初来高値更新銘柄数が100を超えるなど、想定以上に強い動きとなっています。
ただ、足元の強い動きを「ベアマーケットラリーに過ぎない」と言う専門家の方も多く、ここからどう行動するかが非常に悩ましい局面にあると言えます。
ベアマーケットラリーとは?
最近、ベアマーケットラリーという言葉をよく耳にしますが、これはどういう意味なのでしょうか?
ベアマーケットラリーというのは、一言で言えば「株価下落途中の一時的な上昇局面」です。
中長期的な株価下落局面では、長ければ数年間にわたり株価が下がることもありますが、決して一直線に下がるわけではありません。下がったり上がったりと、波打つように徐々に株価が下がっていくことが通常です。
この、長期的な下落のさなかに生じる一時的な上昇と反発がベアマーケットラリーです。
ただ、一時的とは言ってもそれなりの規模、期間となることも多く、どこまで反発するかは分かりません。
さらには、ベアマーケットラリーかと思っていたら、実は底打ちして株価上昇局面に転じていた、という可能性もあります。
従って、個人投資家としてベアマーケットラリーをどのように乗りこなすかは重要な課題です。
強気派と弱気派が混在する足元のマーケット
足元のマーケットでは、強気派と弱気派が混在しているように感じます。
強気派は、米国のインフレがピークアウトして早晩金利も下がることを見越し、ここから株価は再び力強く上昇する、と説いています。
一方弱気派は、インフレはまだしばらく続き、この間景況感も悪化して株価は大きく下落する、とみています。
このように、専門家の間でも今後の先行きについて評価が分かれており、私たち個人投資家としてもどう行動するか非常に悩ましい局面です。
筆者個人的には弱気派に考えが近く、早晩株価は大きく下落するのではないかと思っていますので、足元の株価の力強い上昇もベアマーケットラリーの範囲と考えています。
ただ、足元の株価上昇をベアマーケットラリーと評価し、この株価上昇に浮かれている投資家は誤っている、とする専門家が多いことは気になっています。
多数の人が「ここから大きく下がる」とみている時は、そうならないことが経験則上多くあるからです。最終的に下がるとしても、いったん大きく上昇して「実は下がらない」と思わせておいてから下がるケースもあります。
結論:先行きを決めつけず株価のトレンドについていくのが無難
筆者自身も足元の株価上昇はベアマーケットラリーである可能性が高いと踏んではいるものの、決めつけて行動するのは怖いと感じています。
では、こんな時どのように行動していくのが良いのでしょうか?
やはり、先行き不透明なときは、これからどうなるかを事前に予測するのではなく株価が動いた方向についていくのが無難でしょう。
筆者自身は、株価が上方向に動いているときは、ベアマーケットラリーではなく本格上昇に転じた可能性もあると考え、ある程度の買いポジションを構築します。
そして、株価が下方向に転じたら買いポジションを解消し、キャッシュ比率を高め、さらなる下落に備えて守りを固めます。
また、ベアマーケットラリーに過ぎないことを警戒しているため、株価が上方向に動いている場合も、全力で勝負に行くようなことはせず、買いポジションをいつもよりも小さめにすることでリスクコントロールをしています。
先行き不透明なときは、無理にポジションを膨らませるより、ポジションを小さくすることで、必要以上のリスクを取らないようにすることも大事です。
ちなみに筆者の日々のポジションの大きさについては、ブログの記事内に表記してある「ADA指数」をご覧ください。例えばADA指数が40%であれば、投資可能資金のうちの40%を株の買いポジションとして保有していることを表しています。
くれぐれも、株価が上昇を続けているときに「これはベアマーケットラリーに過ぎない!」と空売りのポジションを膨らませたり、株価が下落に転じたにもかかわらず「すでに株価は底打ちしたからまた上がるはず!」と買いポジションを膨らませたまま放置することのないようにしましょう。
もし、ここから株価が上方向に行く、もしくは下方向に行くと予想し、それに賭けてポジションを構築するような場合でも、想定とは異なる方向に大きく動いたときに備え、損切りルールはしっかり決め、それを守るようにしてください。
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