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著者の窪田真之が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
利回り4.4%・5.3% 三菱UFJ・三井住友FG「買い」判断継続」 

不安材料山積の時に考える「ディープ・バリュー株投資」

 世界的インフレ、FRB(米連邦準備制度理事会)による急な金融引き締め、世界景気減速、地政学リスクの高まり…。世界の株式市場には今、警戒が必要な材料がたくさんあります。日本株は割安で長期的には良い買い場と私は考えていますが、短期的なショック安はまだ終わっていない可能性があるとも思います。

 こんな時、日本株への投資はどうしたら良いでしょうか? 二つの方法をご紹介します。

【1】インデックスファンドに積み立て投資

 一つは、資産形成の王道「積み立て投資」を実践することです。毎月1万円など一定額を、投資信託やETF(上場投資信託)に投資していくのが良いと思います。日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)などに連動することを目指すインデックスファンドから始めたら良いと思います。

 積み立て投資の良いところは、投資を始めてから日経平均が急騰しても急落しても、あまりストレスを感じずに続けられることです(人によってストレスの感じ方は異なります)。

 積み立てを始めてから想定外に日経平均が急騰した時は、既に投資した分が値上がりしたのはうれしい一方、追加で購入する分は高くなった所で買わなければなりません。想定外に日経平均が急落した時は、既に投資した分が値下りするのが辛いですが追加で購入する分は安いところで買えます。

 このように相場が上がっても下がっても一長一短なのであまりストレスを感じずに続けられることが多いのが、積み立て投資です。

【2】配当利回りの高いディープ・バリュー株から投資

 もう一つは、「ディープ・バリュー株」への投資です。日本語でいうと、「極めて(ディープ)割安な(バリュー)株」です。PER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)などの株価指標でみて「極めて割安」な銘柄で、予想配当利回りの高い株が理想的です。

 株価指標だけで機械的に選ぶと「割安のワナ」にかかることもあるので、当然ですが、財務内容が良好で、収益基盤が堅固な銘柄を選別する必要があります。

三菱UFJ・三井住友の買い判断を強調

 長期投資に適した予想配当利回りの高いディープ・バリュー株として私が推奨しているのが、三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)(8306)三井住友フィナンシャルグループ(FG)(8316)です。既に2022年4-6月期(2023年3月期の第1四半期)の決算が発表済みなので、その内容を踏まえた上で、両銘柄の買い判断を継続することをお伝えします。

三菱UFJFGと三井住友FGの2022年4-6月期連結純利益と業務純益

出所:両社決算資料、通期目標はそれぞれ通期(2023年3月期)の会社予想または目標。進捗率は通期目標に対する第1四半期(4-6月)の進捗率

 両社とも、好調な決算と判断しています。ただ、三菱UFJは外見が良くないので、少し説明が必要です。三井住友は見ての通り、純利益も業務純益とも増益で好調であったとわかります。