2社ともディープ・バリュー株と言える

 2社とも、8月23日時点でPERとPBRが低く、予想配当利回りが高く、株価指標から見て極めて割安なディープ・バリュー株と言えます。

2社の株価バリュエーション:2022年8月23日時点 

銘柄名 株価:円 配当利回り PER:倍 PBR:倍
三菱UFJ FG 723.1 4.4% 9.0 0.52
三井住友 FG 4,151.0 5.3% 7.7 0.47
出所:両社決算資料より楽天証券経済研究所が作成。配当利回りは2023年3月期1株当たり年間配当金(会社予想)を8月23日株価で割って算出。1株当たり配当金は、三菱UFJ32円、三井住友FG220円。PERは、8月23日株価を2023年3月期1株当たり利益(会社予想または会社目標)で割って算出

金利が下がる都度、売られてきた銀行株

 三菱UFJ、三井住友とも、高水準の利益をあげてきたにもかかわらず、株価は長期にわたり低迷してきたため、株価指標で見て割安です。両社の株価が過去どのように推移してきたかご覧ください。

日経平均および2メガ銀行株価の値動き比較:2007年1月~2022年8月(23日まで)

出所:2007年1月末の値を100として指数化、QUICKより作成

 両社とも2008年以降、金利低下とともに売られてきました。金利が低下している間は、日経平均を大幅に下回るパフォーマンスとなっていました。

 株式市場で「金利低下→銀行(金融業)の収益悪化」というイメージが定着しているので、金利が低下する都度、世界中で銀行株をはじめとして金融株が売り込まれました。

日米の長期金利(10年国債利回り)推移:2007年1月~2022年8月(23日)

出所:QUICKより作成

 両社とも、まず日本の長期金利が低下する過程で、売られました。さらに、ドルの長期金利低下を嫌気して売られました。

 ところが、2021年以降、ドルの長期金利が上昇し始めると、世界的に金融株が上昇し、日本のメガ銀行株も上昇しました。世界の株式投資家は、今でも相変わらず、日本のメガ銀行株を、金利連動株として扱っています。