日米金利差に反応して、円高・円安に大きくふれるドル/円

 ドル/円為替レートが激しく乱高下しています。7月は一時1ドル=139円台まで円安が進みました。ところが、7月後半から8月初めにかけては円高に転じ、8月初めに1ドル=131円台まで円高が急進しました。それで円安が終わったかと思いきや、8月に入って再び円安が進み、足元、137円台をつけています。

ドル/円為替レートの動き:2022年7月1日~8月22日

出所:QUICKより楽天証券経済研究所が作成

 ドル/円を動かす要因はたくさんあって分かりにくいですが、ドル/円を動かす最大の要因だけに注目すれば、極めてシンプルです。ドル/円を動かす主要因は、日米金利差です。

【1】日米金利差が拡大すると、ドル買い(円売り)が増えてドル高(円安)が進む。
【2】日米金利差が縮小すると、ドル売り(円買い)が増えてドル安(円高)が進む。

 近年、日本は長短金利ともゼロ近辺に固定されているので、米国金利が、そのまま日米金利差となっています。したがって、以下のように言い換えることができます。

【1】米国金利が上昇すると(日米金利差が拡大して)、ドル高(円安)が進む。
【2】米国金利が低下すると(日米金利差が縮小して)、ドル安(円高)が進む。

 つまり、ドル/円の動きをもっとも簡単に説明すると、「米金利が上がれば円安」「米金利が下がれば円高」となります。