今週の予想

今週は、米国のジャクソンホール会議やパウエル議長の講演に注目、相場は一服へ

 先週は、ダウ工業株30種平均の上昇が続き、リスク許容度の高まりが踏み上げを誘い、日経平均株価は17日(水)には、今年の1月5日の高値2万9,388円以来の水準を回復し、2万9,222円の高値引けとなりました。

 ここで、これまでの買い方に有利な需給構造が一服し、近づく重要イベント(25~27日のジャクソンホール会議や26日のジェローム・パウエル議長の講演)への警戒感が高まることになります。

 ジャクソンホール会議は、過去にも相場に大きな影響を与えてきており、今回のインフレを背景にタカ派色が強いスピーチとなれば、マーケットの楽観論が後退することになりかねません。

 また、パウエル議長の発言が、これまでの積極的な利上げのスピードに変化を与えるのかも注目となります。そうであれば今週は警戒ムードが先行し、特に直近で大きく上昇してきた銘柄が多く、グロース株は波乱含みとなる展開も考えられます。

 こうした半面、再び進行した円安基調や決算後の企業業績に対する評価の高まりや根強い売り方の買い戻し余地が日本株の下支えとなります。いったん長くもみあっていたボックス圏を上放れしていますので、目先は下げても2万7,700円水準であり、想定レンジは2万8,000~2万9,300円とします。

 目先は、日米ともにチャートに達成感があり要注意となります。注目すべきはNYダウの動きで、いったん到達した200日移動平均線と52週線を再び割り込んでおり、戻りに時間がかかると、それが上値のカベになる可能性があります。NYダウの調整が長引けば日経平均もスピード調整が長引くことになります。

今週の指標:日経平均株価

 先週は17日(水)に2万9,222円の高値引けとなり、需給関係で売りの踏み上げが一服するところです。さらに今週はジャクソンホール会議、パウエル議長の講演もあり、利上げが強まることへの警戒感があります。米国株の状況によっては2万8,000~2万9,300円のレンジの中で下値を試す局面も考えられます。

先週の動き

 先週の予測では、前々週末の8月12日(金)に3月25日の2万8,338円、6月9日の2万8,389円のフシ目をぬいて、2万8,546円の終値となり、ボックスの天井圏をぬいたことで、チャート上の次のフシ目は1月5日の2万9,388円の年初来高値を目指すとしました。

 結果的に15日(月)は、+324円の2万8,871円をつけ、16日(火)は▲2円と3日ぶりに小反落となり、17日(水)は前日のNYダウが+239ドルの3万4,152ドルと200日移動平均線をぬけて、3カ月ぶりに3万4,000ドルを上回ったことで、先物主導で上げ幅を拡大し+353円の2万9,222円と高値引けとなりました。

 これでいったん精いっぱいの伸びとなり、18日(木)は▲280円の2万8,942円と反落し、週末▲11円の2万8,930円と小幅続落で引けました。