「スーパースクリーナー」で急成長株選び!

 株式投資一番の醍醐味(だいごみ)は、やはり株価の上昇です。株価上昇の原動力となるのは、利益や売上高の成長。できることなら、株価の急上昇も狙える優待株に投資したいものです。

 そこで、まずは楽天証券の銘柄検索ツール「スーパースクリーナー」で急成長株を選び、その銘柄に株主優待制度があるかを「株主優待検索」で確かめていきましょう。

 まずはスーパースクリーナーの詳細検索項目のコンセンサス情報欄にある、

  • 「過去5年増収比率(予)(%)」が10%超
  • 「過去3年平均売上高成長率(予)(%)」が10%超

 という条件で銘柄を検索します。

「過去5年増収比率」は過去4年+今期予想の営業利益の平均伸び率を算出したものです。

 営業利益が過去5年平均で毎年10%超伸びていれば、高い利益成長から株価の上昇も見込めます。

 さらに、今期予想も含めた3年間の売上高も平均10%以上伸びていれば、投資家の注目度も高い超有望な急成長株といえるでしょう。

 スーパースクリーナーで上記の条件で検索したところ、192銘柄がピックアップされました。

 ここからは少し手間がかかりますが、この192銘柄全ての銘柄コードを「株主優待検索」に入力。9月末株主に優待が贈られる優待株を探しました。

 急成長株の場合、成長のための投資に忙しく、株主優待制度を設けている企業はまれです。しかし、192銘柄の中には9月優待株がちょうど10銘柄もありました。

 過去5年増収比率の高い順に紹介していきましょう。

成長性No.1はキャリアリンク(6070)

 5年間の営業利益の平均伸び率が55%に達する急成長を遂げているのが、人材派遣会社のキャリアリンク。

 官公庁向け人材派遣に強く、最近ではマイナポイント向け業務の受注が絶好調です。

 株価は5月中旬の好調な決算発表を受け、1,400円台から2,200円台まで急上昇中です。

 同社は決算月の変更にともない、今年から9月優待になりました。

 100株の保有(投資金額22万6,500円※)で9月末にクオカード500円分が贈呈されます。

 また、業績好調にともない今期2023年3月期の株主配当も前期40円から50円に増額。配当利回りは2.2%台に達し、急成長企業にもかかわらず、高配当な点も魅力といえるでしょう。

※2022年7月29日の株価をもとに計算しました。以下全て同じです。

営業利益と売上高の10%成長が続く急成長優待株はこれ!

2 インソース(6200)

 インソースは年間受講者数57万人を誇る企業向け社員研修・オンライン講座を運営する人材教育企業です。DX(デジタルトランスフォーメーション)教育やITスキル講座に対する需要増で、3期の平均営業増益率は39%。5年平均の売上高成長率も22%と高度な業績成長が続いています。

 現在の株価は2,700円台で、2021年12月高値3,090円に接近しています。

 同社の優待もクオカード。200株保有で9月末に500円分が贈呈されます。優待取得には200株(投資金額55万9,600円)の資金が必要になります。

 少々ハードルが高いですが、業績好調で、株価の反転上昇が続いている流れに乗りたいところです。

3 ケイアイスター不動産(3465)

 ケイアイスター不動産は埼玉県が地盤の不動産会社。IT技術を使った効率的な業務フローで、低価格の高品質分譲住宅を提供して業績が急拡大しています。

 5年増収率は36%、3年売上高成長率も12%超。関西エリアなどへの進出を拡大することで、今後も急成長が続きそうです。

 株価は2020年3月コロナショックの安値から2021年11月には約9倍高を達成。しかし、2022年の全体相場の悪化により、現在は半値近い4,800円台まで下落しました。 

 ただ、今期2023年3月期も19%増収、7%の営業増益を見込んでおり、1株あたりの配当金も280円に15円も増額。配当利回りは実に5%を超えています。

 そんな同社の優待は9月末、100株(投資金額48万5,000円)でクオカード1,000円分。

 株価の底打ち反転と高額な株主配当金、さらにクオカード優待の一石三鳥が狙えそうです。

4 商船三井(9104)

 営業利益の5年平均伸び率が22%で第4位となったのは、海運会社大手の商船三井です。

 同社はコンテナ船会社のオーシャンネットワークエクスプレスジャパン社に、他の海運会社大手2社と共同出資しています。2021年以降、コロナ禍によるコンテナ船の船賃急騰で、このコンテナ船会社の業績が絶好調。

 3年間の売上高の平均伸び率も10.8%に達し、同社の株価は2021年の年初から最大約3.8倍まで急騰しています。

 7月29日に発表したばかりの2023年3月期第1四半期決算でも株主配当の増額を発表。配当利回りはなんと13%台に到達しています。

 そんな同社は今回の9月優待から優待内容も拡充しました。

 従来は、100株保有(投資金額36万3,500円)で9月・3月末にクルーズ船「にっぽん丸」の旅行代金が1枚で10%割引される割引券2枚というものでした。

 それに加えて、今回の9月優待からは、大洗-苫小牧間の商船三井フェリーや大阪-別府間などのフェリーさんふらわあの運賃が5,000円割引となるクーポン券も贈られることに。

 物価高が逆に好業績につながる業種でもあり、今後も株高が続きそうです。

5 コムチュア(3844)

 コムチュアはクラウドやビッグデータ活用が得意なITソリューション企業です。

 AIを駆使した需要予測や金融関連サービスが大きな収益源になっています。

 300株保有(投資金額89万6,400円)で9月・3月末に、1,000円分のクオカードが贈呈されます。

 かなりハードルが高いですが、DXやAIの普及はまだ始まったばかり。

 5年平均の営業増益率19%、3年平均の売上高成長率12%超という、着実な増収増益基調が今後も続きそうです。