米国高配当株1:ウィリアムズ・カンパニーズ(WMB)

 天然ガスの収集、処理、輸送サービスやNGLの分留、輸送、貯蔵サービスおよびマーケティングサービスを展開しています。

 世界が低炭素社会に移行する中、ウィリアムズ・カンパニーズは天然ガスに特化した戦略で米国全土において事業を展開しています。

 時価総額は400億ドルで、日本円で約5兆3,000億円となっています(USD=135円換算)。

事業の注目ポイント

 事業の中心は「天然ガスのパイプライン事業(Transmission & Gulf of Mexico)」で、続いて「西部天然ガス事業(West)」、「天然ガス等マーケティング事業(Gas & NGL Marketing Services)」、「北東天然ガス&発電事業(Northeast G&P)」となります。

※直近の四半期決算(企業HPより)、筆者作成

「天然ガスのパイプライン事業」では、メキシコ湾から東海岸に至る州内天然ガスパイプライン「Transco」や、天然ガス収集・処理・加工、原油生産、NGL分留資産を事業展開し、「天然ガス等マーケティング事業」ではガスやNGLの販売、温室効果ガス排出の相殺を目的とした炭素クレジットの売買などをおこなっています。

競合他社

 競合他社として、四つの事業区分により構成されるエネルギー・インフラストラクチャ会社であるキンダーモルガン(KMI)、収集と加工、および物流とマーケティング(下流事業)が含まれる北米の中流エネルギー会社であるタルガ・リソーシズ(TRGP) などがあります。

株式の注目ポイント

 株価は昨年の高値を超えて推移しています。また、配当は今年に入ってから増配をしています。

 昨年から資源価格が上昇してきたことに伴いウィリアムズ・カンパニーズの株価も上昇してきました。

 直近株価の下落があったものの徐々に回復してきており、会社側は今後も天然ガス・LNGの需要は高まると予想しており、引き続き堅調な株価の推移が期待されます。

業績動向

 2022年8月1日開示の四半期決算では、1株利益は市場予想を上回りましたが、売上高は市場予想を下回りました。

 売上こそ市場予想に届かなかったものの、1株利益・売上高ともに前年同期比の水準を上回る結果でした。

 発電用・工業用・輸出用と天然ガス需要は全セクターで増加しており、今後も大規模な埋蔵量を有する海底への積極投資を行うことでさらなる生産量の拡大につなげていく方針です。

 次回2022年11月2日に開示予定の四半期決算で、市場予想を上回る決算を発表できるか注目です。

注意点

 米国金利上昇からの景気後退によって資源需要低迷に陥った際に、需要低迷が業績に影響を与え、株価下落につながる恐れがあることには注意が必要です。

株価動向、配当利回り紹介

配当:1.7ドル
配当利回り:5.23%
株価:32.45ドル(約4,400円)

 この銘柄、権利落ち日は9月8日(権利実施は9月26日)です。

 配当利回りは8月9日時点で5.23%、株価は32.45ドルでおよそ4,400円から購入できます(1USD=135円計算)。

 2019年からの最高値は37.82ドル、

 最安値は9.25ドルとなっています(終値ベース)。

米国高配当株2:トリトン・インターナショナル(TRTN)

 インターモーダル・コンテナの世界最大の貸し手企業です。

 インターモーダル・コンテナは物品の国際輸送の際に利用される主要輸送手段となっており、トリトンは世界の主要なコンテナ船会社の全てにコンテナを供給するリーディングカンパニーです。

 時価総額は40億ドルで、日本円で約5,400億円となっています(USD=135円換算)。

事業の注目ポイント

 事業の中心は「コンテナ設備リース事業(Equipment leasing)」で、続いて「コンテナ貿易事業(Equipment trading)」となります。

※直近の四半期決算(企業HPより)、筆者作成

「コンテナ設備リース事業」では、コンテナの取得・リース・再リースを中心に事業展開し、「コンテナ貿易事業」ではコンテナの再販を行っています。

競合他社

 競合他社として、重工業および産業機器に重点を置く統合機器サービス会社であるH&Eエクイップメント・サービシズ(HEES)、機器レンタル事業を営む持株会社であるユナイテッド・レンタルズ(URI)、モジュラースペースとポータブルストレージソリューションを提供するウィルスコット・モバイル・ミニ・ホールディングス(WSC)などがあります。

株式の注目ポイント

 株価は昨年の高値近辺で推移しており、配当は2020年から増配しています。

 好調なコンテナ市場を背景として業績は好調に推移するとともに、積極的に自社株買いを進めることで株価は高値圏で推移しています。

 コンテナの市況環境は今後落ち着いてくると会社側は予想していますが、今までの事業投資により市場が停滞したとしても好調な業績を維持できる会社の状態であるとしており、今後も好調な業績とそれに伴って株価も堅調に推移することが予想されます。

業績動向

 2022年7月28日開示の四半期決算では、1株利益は市場予想を上回りましたが、売上高は市場予想を下回りました。

 売上高は市場予想を下回ったものの、1株利益・売上高ともに前年同期比を大きく上回っており、決算を受けて株価は上昇しました。

 今後も引き続き好調な業績が予想されているものの、一方で顧客のコンテナ需要の低下も予想されることから、資金を事業投資から自社株買いへシフトしていく事も計画に入れています。

 次回は2022年10月27日に四半期決算の開示予定ですが、市場予想を上回る数字を出せるか注目です。

注意点

 インフレに伴う景気悪化によって、需要が停滞した際に業績悪化・株価下落につながる可能性がある点には注意が必要です。

株価動向、配当利回り紹介

配当:2.6ドル
配当利回り:4.05%
株価:64.07ドル(約8,600円)

 この銘柄、権利落ち日は9月7日(権利実施は9月22日)です。

 配当利回りは8月9日時点で4.05%、株価は64.07ドルでおよそ8,600円から購入できます(1USD=135円計算)。

 2019年3月からの最高値は71.63ドル、最安値は21.67ドルとなっています(終値ベース)。