米国高配当株3:フランチャイズグループ(FRG)

 フランチャイズ事業の運営ならびにフランチャイズ可能な事業の買収を中心に事業展開しており、2021年12月25日時点で1,221のフランチャイズ店舗、1,410の直営店舗、317のディーラーからなる2,948の店舗を運営しています。

 時価総額は13億ドルで、日本円で約1,770億円となっています(USD=135円換算)。

事業の注目ポイント

 事業の中心となるブランドは、「Vitamin Shoppe」で、続いて「Pet Supplies Plus」、「Badcock」、「American Freight」、「Buddy's」、「Sylvan Learning」となります。

※直近の四半期決算(企業HPより)、筆者作成

「Vitamin Shoppe」ではビタミン、ミネラル、サプリメントなどを自社ブランドとナショナルブランドで展開し、それらを直営店やオンラインショップで販売しています。

 また、「Pet Supplies Plus」はトリミングやセルフサービスペットウォッシュなどフルサービスのペット用品フランチャイズとして全米39州に620以上の店舗を展開しています。

競合他社

 競合他社として、自然食品と有機食料品および栄養補助食品の専門小売業を手掛けるナチュラルグローサーズ・バイバイタミンコテージ(NGVC)や、家庭用電化製品・家電製品・家具などの所有権のレンタル購入サービスを手掛けるレントAセンター(RCII)などがあります

株式の注目ポイント

 株価は昨年の高値までは戻っていませんが、配当は昨年・おととしと増配しています。

 コロナ発生直後こそ株価は下落したものの、すぐにほかの業種に先んじて株価は回復しました。

 しかし、最近はインフレの影響などにより、家具、マットレス、電化製品を手掛けるAmerican FreightやBuddy'sの業績低迷もあり株価は低迷しています。

 その分、配当利回りは好条件となっており配当を目的として保有するのには良いのではないでしょうか。

業績動向

 2022年8月4日開示の四半期決算では、1株利益・売上高いずれも市場予想を下回りました。
1株利益・売上高ともに前年同期比を上回ったものの、決算を受けて株価は下落しその後横ばいで推移しています。

 会社側の見通しではインフレはピークアウトしつつあり、来年には停滞している事業の業績が以前の水準まで回復すると予想しています。

 Vitamin ShoppeやPet Supplies Plusはしっかりとした業績であることから、停滞している事業の回復が待たれます。

 次回2022年11月9日に開示予定の四半期決算において、市場予想を上回ることができるか注目です。

注意点

 直近米国ではガソリン価格の下落も見られ、一時期に比べるとインフレの落ち着きを見せていますが、それでも何らかの影響で再びインフレ加速となった際には株価にも影響をおよぼす可能性がある点に注意が必要です。

株価動向、配当利回り紹介

配当:2.5ドル
配当利回り:7.68%
株価:32.53ドル(約4,400円)

 この銘柄、権利落ち日は9月29日(権利実施は10月14日)です。

 配当利回りは8月9時点で7.68%、株価は32.53ドルでおよそ4,400円から購入できます(1USD=135円計算)。

 2019年からの最高値は54.18ドル、最安値は6.47ドルとなっています(終値ベース)。

米国高配当株4:ステート・ストリート(STT)

 世界大手の総合金融グループです。JPモルガン・チェース、シティバンク、バンク・オブ・ニューヨーク・メロンなどと並ぶグローバル・カストディアンとして有価証券の保管・管理や調査、資産運用など幅広い金融サービスを展開しています。

 日本でも事業展開しており、傘下の金融機関を通じて資産管理、投資調査およびトレーディング、外国為替、資産運用などのサービスを提供しています。

 時価総額は258億ドルで、日本円で3兆5,000億円となっています(USD=135円換算)。

事業の注目ポイント

 事業の中心は「投資サービス業(Investment Servicing)」で、続いて「投資運用業(Investment Management)」となります。

※直近の四半期決算(企業HPより)、筆者作成

「投資サービス業」では年金・ウェルス・ファンドマネージャーなどさまざまな顧客を対象とした、運用一元化プラットフォームであるステート・ストリート・αの提供などをおこなっており、「投資運用業」ではステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズを通じて「SPDR」の名称でMSCIやS&P500といったさまざまな対象を投資先としたETF(上場投資信託)の運用などを行っています。

競合他社

 競合他社として、世界中の富裕層に金融サービスを提供し、資産管理事業も展開するUBSグループ(UBS)や、グローバル・カストディアンとして有価証券の保管・管理や調査、資産運用など幅広い金融サービスを提供するバンク・オブ・ニューヨーク・メロン(BK)などがあります。

株式の注目ポイント

 株価は3月以降下落し、まだ年初の水準には戻っていません。

 また、配当は2012年から連続で増配しています。

 ステート・ストリートの株価も採用されているS&P500同様、3月以降下落し、その後7月中旬より株価が回復してきています。

 売買手数料の低下などのマイナス要因を利息収入の増加で補うことで、業績の悪化を抑えることができており、それも直近株価が上昇している理由の一つかもしれません。

業績動向

 2022年7月15日開示の四半期決算では一株利益は市場予想を上回りました。売上は市場予想を下回りましたが、一株利益・売上ともに前年同期比と同程度の水準であり、決算を受けて株価は約1割上昇しました。

 株式・債券市場の低迷による手数料収入のマイナス部分を他のビジネスでカバーすることで業績の大幅な悪化を避けることができました。次の決算でも堅調な業績が予想されており、マーケットの改善次第ではさらなる業績拡大となるかもしれません。

 次回2022年10月17日開示予定の四半期決算において、市場予想を上回ることができるか注目です。

注意点

 今回の決算では、値動きが大きかった為替を背景としたFXの収入が大きく貢献し、落ち込んだ業績をカバーしましたが、持続性があるものでもないので、次回決算までにマーケットが大きく変動した際には注意が必要です。

株価動向、配当利回り紹介

配当:2.52ドル
配当利回り:3.58%
株価:70.30ドル(約9,500円)

 この銘柄、権利落ち日は9月30日(権利実施は10月13日)です。

 配当利回りは8月9日時点で3.58%、株価は70.30ドルでおよそ9,500円から購入できます(1USD=135円計算)。

 2019年からの最高値は103.77ドル、最安値は43.21ドルとなっています(終値ベース)。