今週の予想

今週の日経平均は、2万8,000~2万9,000円のレンジで2万9,000円を試すことに

 先週の予測では、前々週末の8月5日(金)に、日経平均株価は米国でナスダック総合指数が上昇していたことで、ハイテク株高を支えに半導体関連株が上昇し、+243円の2万8,175円と2カ月ぶりに2万8,000円台を回復したことで、次は2万8,300円台へ挑戦する動きとなることを想定しました。

 その場合は、円安基調への戻りもあり、当面のターゲットは3月25日の2万8,338円、6月9日の2万8,389円の2点天井があり、6月高値の2万8,389円を試すことになるとしました。

 これまで日本市場の8月の経験則として、8月中旬までは夏枯れ相場で軟調となる可能性が高いとしていましたが、高値警戒感を示していた日足テクニカル指標の過熱感が解消に向かっているため突破する期待もでてきました。

 結果的には、11日(木)の休日前までは、9日(火)は▲249円の2万7,999円と2万8,000円を割り、10日(水)は、▲270円の2万7,729円まで下落し、終値は▲180円の2万7,819円となったことで、8月中旬は一服と思われましたが、引け後の米国で7月消費者物価指数の鈍化を受け、さらに11日の7月生産者物価指数の予想に反しての低下を受け、米国株式が2日連続の大幅上昇となり、休日明けの12日(金)の日本市場は+727円の2万8,546円と大幅反発となり、7カ月ぶりの高水準となりました。

 米国は、経済指標の結果を受けて、FRB(米連邦準備制度理事会)の利上げスピードが緩くなるとの期待が高まり、また、インフレピークアウト期待も高まったことで、3指標そろって大幅上昇となりました。一方で足元の景気に対する見方も後退しつつあります。

 強気のFRBの利上げスピードに対しての景気後退懸念は、5日の米雇用統計で雇用者数は増加し、失業率も歴史的な低水準にあることで、インフレでも落ち込まない経済活動の強さがあるとみているようです。

 しかし、注意しなければならないのは、指標の減速要因の大事なのはエネルギー価格であり、食品価格はむしろ上昇ペースが加速しています。また、原油価格は一時、大きく下げましたが、その後は高止まりしており、単純に「インフレピークアウト→利上げ減速」まで織り込まれていると考えるのは時期尚早という見方もあります。

 日本国内では、岸田文雄首相が内閣改造を実行しましたが、旧統一教会を巡る国民の不信は解消されていません。支持率が一段と低下するようなら外国人投資家は、日本株買いを躊躇(ちゅうちょ)するようになる可能性もあります。一方で米長期金利の上昇観測が弱まったものの、1ドル=130円台を維持しており、大手輸出企業の業績上方修正余地は残ります。

 日経平均は、フシ目の3月高値2万8,338円、6月高値2万8,389円を突破して、先週末の8月12日(金)は+727円の2万8,546円となっており、目先は2万8,500円がいったんのフシ目との見方もありますが、シカゴ日経先物は+170円の2万8,710円となっています。米国株式が上昇を維持すれば、日本株も堅調に推移することになります。

 また、フシ目の2万8,300円台をぬくと1月5日の年初来高値2万9,388円を目指すことになります。レンジは2万8,000~2万9,000円となります。

今週の指標:日経平均株価

 先週末の12日(金)は、3月25日の2万8,338円、6月9日の2万8,389円のフシ目をぬいて2万8,546円の終値をつけ、ボックス圏の天井をぬきました。チャートをみると今年の1月5日の2万9,388円の年初来高値を目指すことになります。

 それまではフシらしいフシがありませんので、米国株がこのまま堅調であれば、日経平均も2万9,000円を試すことになります。しかし急騰してきただけにスピード調整も考えられますので2万8,000~2万9,000円のボックスの中で調整を入れながら2万9,000円を試すことになりそうです。

先週の動き

 先週の予測では、前々週末に2万8,000円台を突破して引けており、米国では7月雇用統計が強い結果となって、為替は、ドル買い・円売りで円安基調となるため輸出関連株中心に2万8,300円台を試し、3月25日の2万8,338円、6月9日の2万8,389円を突破できるかどうかとしました。

 結果的には、米国市場で10日(水)の7月消費者物価指数、11日の7月生産者物価指数の低下、さらに12日の7月輸入物価指数の低下を受けて、FRBの利上げペースが緩まるとの期待やインフレピークアウト期待が高まり、主要3指標は大幅上昇が続き、これを受けて日経平均も休日明けの12日(金)は、一気に2万8,300円台を突破し、+727円の2万8,546円で引けました。

 8月中旬は夏枯れ相場で軟調となる予想をしていましたが、米国株高が大きなサポートとなりました。