グロース株を象徴するナスダック100の成長期待は高い

 米国市場でグロース株を象徴するのがハイテク株を中心とするナスダック総合指数やナスダック100指数です。図表3は、ナスダック100とS&P500をベースにした暦年実績EPS(1株当たり利益)と予想EPS(12カ月先予想EPS/市場予想平均)の推移を示したグラフです。

 ナスダック100を構成する主力株(時価総額の大きい企業群)の良好な業績見通しを反映し、ナスダック100の予想EPSはS&P500のEPSよりも優勢に推移しており、本年、来年、再来年と過去最高益を更新していくと見込まれています。短期的な需給変動による株価調整は別にして、イノベーションの集積地とされる米国で強い利益成長が見込まれているナスダック100の利益成長期待をうかがい知ることができます。ポストコロナやウィズコロナでも構造的成長が続くと見込まれるDX(デジタルトランスフォーメーション)需要の拡大を背景に、中長期の観点でみたナスダック100の戻り基調に注目したいと思います。

<図表3>ナスダック100指数の業績見通しは堅調

*2022年、2023年、2024年の予想EPSは市場予想平均を示す 出所:Bloombergより楽天証券経済研究所作成(2022年8月5日)

 こうしたナスダック100に連動を目指す米国籍ETFとして「インベスコQQQトラスト・シリーズ1」(QQQ)があります。米国の大手デジタル・プラットフォーマーが注目され始めた2014年ごろから昨秋に至るまで、QQQは市場平均(S&P500)を大きくアウトパフォームしてきました。

 その後、ナスダック100の軟化を受けてQQQも下落しましたが、6月下旬以降から現在まで大手グロース株の復調を受けてQQQも持ち直しの動きを鮮明にしています。直近の一口当たり取引価格は325.93ドル(10日時点)でファンドの運用時価総額は約1,800億ドル(約2.4兆円)に及んでいる人気のETFです。長期目線でナスダックを中心とするグロース株の回復や優勢を見込むのであれば、QQQへの時間分散投資を実践していくことは資産形成に寄与すると考えています。

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