気になるあの本をチェック!
1分でわかる クボッチ先生の やさしい投資入門
答えてくれた人
主婦の友社 ウェブ戦略室 三宅川修慶さん
著者ってどんな人?
窪田真之
楽天証券経済研究所・ファンドアナリスト。
1984年、慶應義塾大学経済学部卒業。住友銀行、住銀バンカース投資顧問、大和住銀投信投資顧問を経て2014年より現職。日本株ファンドマネージャー歴25年、1000億円以上の大規模運用で好実績をあげたスペシャリスト。
編集者からみからみた著者はこんな人!
窪田さんの他社から出ている書籍をたまたま読んで「この人とこういう本がつくりたい!」とビビッときました。面識がなかったので楽天証券のコールセンターに電話してからの交渉となり、やっと窪田さんにたどり着きました。
どんな本かというとイラストとマンガをベースに図表と解説文で構成する投資初心者向けの本です。バリバリのファンドマネージャーという経歴の人とお金の増やし方をガチかつやさしく教える本ってあるようでないと思っていたので、窪田さんしかいない! となりました。電話で初めてお話した時に窪田さんもマンガで教える本を出してみたかったという話をされていてスムーズに企画が決まりました。
やさしく解説することに徹底はしていますが、PERやPBR、投資信託や個別株投資、ダウの犬戦略など「お金を増やす」ことに集中した内容です。初心者をメイン読者とイメージしていますが中級者が読んでも今の知識の理解を2段階くらい深められると思います。
打ち合わせや原稿チェックは青山のカフェで行うことが多く、当然出版社側がごちそうするのが礼儀です。ところがある時、「今日は僕が払っておくよ」と窪田さんがおっしゃって、「それはよくないですよ」と私が返すと、「いいじゃないか、大学の後輩なんだし」とおごってもらいました。学部は違えど同じ慶應義塾大学で窪田さんは先輩です。ちなみに窪田さんは少年時代に小説家になりたいという思いを持っていて、今回の本はその延長で夢がかなったと言ってくれました。
どんな人にオススメ?
「投資したいけど何の勉強もしたことがない」という方にまずは読んでほしいです。本書に出てくるキャラクターの投資に関する知識はバラバラで、必ずどれかに自分が当てはまるように構成しています。
また、チャートなどテクニカルの勉強はしたといった中級者の方でも学んだことの理解がぐっと深まる内容もかなり詰まっているのでオススメです。私もJALが破綻した頃に株の学校でテクニカルは学んでトレードしていました。しかし今回、「そういえば」「そういう一歩踏み込んだ見方をするのか」と改めて理解するポイントが多かったです。
この本の、ここが読みどころ!
全部の項目!といえばその通りなのですが(笑)。
Part1「投資信託の不都合な真実」「危うい債券信仰」「株式投資をはじめる まずは公共株から」
part2「忙しい人のための投資信託」「手数料の安いファンドを選ぶのが鉄則」「米国株インデックスファンドの選び方・買い方」
part4「割安な株を探す」「米国で有名になった『ダウの犬』戦略」「日本版『ダウの犬』」
part5「やってはいけないNISAあるある失敗談」
といった項目はぜひ熟読してほしいです。窪田さんは「ファンドマネージャー」の経歴から解説をしてくれており、ここがFPの方との違いです。節約とか保険の見直しなどでなく「お金をいかに増やすか」のプロの知見がギュッと詰まった本なので、真剣にお金を増やしたい人には必ず満足・納得してもらえると確信しています。
編集者の制作秘話
イラストとマンガをお願いした岡本倫幸さんは16年のお付き合いの方です。本書のような優しいタッチから筋トレ本の人体筋肉図、地下鉄の駅の立体的な構内図まであらゆる画が描ける魔術師です。
イラストはイラストレーターの人柄がもろに出るな…と、長い書籍編集の経験からいつも感じます。本書からは岡本さんの優しい人柄が感じ取れると思います。まさに「やさしい投資入門」ぴったりです。
マンガ+図表と解説文という構成の書籍はそれぞれを上手にはめるのに苦労します。その点では簡単ではありませんでしたが、最終的にはコンパクトに収まったと思います。節約や保険の見直しなどでお金を貯めるのもいいのですが、自分の資産をしっかり勉強して増やすことが豊かな生活の助けに必ずなるはずです。