米利上げが続く中、景気後退を回避して持ち直した2004~2005年

 今と同じように、景気後退のリスクが高まったと判断されたのが2004年です。FRB(米連邦準備制度理事会)は2004年4月から利上げを開始し、金融引き締めを続けました。それと同時に、米国や日本の景気に停滞感が強まりました。今と同じように、半導体ブームにピークアウト感が強まり、製造業の景況が低下しました。

 2004年4月以降、世界的に株価が調整に入ると、日本のメディアには、「米国バブル崩壊、中国バブル崩壊・デジタルバブル崩壊」と世界不況を予測する見出しが増えました。

日経平均とNYダウの週次推移比較:2002年末~2006年末

出所:QUICKより楽天証券経済研究所が作成、2002年末を100として指数化

 ところが、米国は景気後退を回避して持ち直しました。日本の景気も2004年後半には、一時的に後退色が強まりましたが、米景気や中国景気の拡大が続いた恩恵で、2005年には持ち直しました。

 日本の景気判断を担当している総務省は、2004年を「景気踊り場」と呼び、2005年には「踊り場脱出宣言」を出しました。景気後退をぎりぎり回避したことを、そのように表現しました。