注目株3:ネクスティア(01316)

 中央系国有企業である中国航空工業集団(AVIC)傘下の自動車部品メーカーです。以前はGMの傘下企業でしたが2010年にAVICが買収しています。

 製品別売上(2021年12月期)では電動パワーステアリングが69%、動力伝動装置が18%、ステアリング・コラム、シャフトが10%、油圧パワーステアリングが3%、地域別では北米が58%、アジアが24%、欧州・中東・アフリカ・南米が18%。なお、受注ベースですが、新エネルギー自動車向けは25%です。

 2021年12月期業績は11%増収、1%増益でした。新型コロナ禍からの回復過程で二桁増収を達成したのですが、半導体不足や原材料価格の上昇などの影響が大きく、低い増益率にとどまりました。

 2022年12月期の市場予想は11%増収、28%増益です。グローバルでは顧客数は60社以上です。中国国内では、長安汽車、神龍汽車、長城汽車(601633)、上海GM、上海GM五菱といった顧客が大口です。新エネルギー自動車向けの開発に注力していることもあり、中国国内の政策による恩恵は大きいと予想します。

ネクスティアの月足

期間:過去5年(2017年7月18日~2022年7月18日)
出所:楽天証券ウェブサイト

注目株4:英恒科技(01760)

 2001年に香港で創業、上海に開発拠点を置く自動車向けを中核とした民営の電子部品開発メーカーです。製造部門は持たず、開発、設計、ソリューションの提供に特化した事業スタイルです。

 対象とする製品別売上構成(2021年12月期)は、新エネルギー自動車関連が34%、車体制御が18%、安全システムが18%、動力伝動システムが10%、工業向けなどが20%です。BYD、上海汽車(600104)、長城汽車、広州汽車(02238)小鵬汽車(09868)理想汽車(02015)、零跑汽車などが主な取引先です。

 2021年12月期業績は59%増収、112%増益でした。新エネルギー自動車向けが132%増収と好調、業績をけん引しました。2022年12月期の市場予想は22%増収、13%増益です。

 新エネルギー自動車向けでは電子キー、安全システム、パワーエレクトロニクス関連技術に強みがあります。また、今後、先進運転支援システムの開発が業績に寄与する見込みです。政策効果により、業績の上方修正が期待できるとみています。

英恒科技の月足

期間:過去5年(2017年7月18日~2022年7月18日)
出所:楽天証券ウェブサイト

注目株5:寧波均勝電子(600699)

 2004年創業の大手民営自動車部品メーカーです。2011年以降、ドイツ、米国の自動車部品メーカーを次々に買収、2018年には、エアバッグのリコール問題で経営破綻したタカタ(日本)のエアバッグ関連以外の事業を買収するなど、積極的にグローバル展開を続けています。

 部門別の粗利益(2021年12月期)では、安全システムが53%、電子システムが47%、国内が37%、海外が63%です。

 2021年12月期業績は5%減収、37億5,329万元の赤字(前年は6億1,617万元の黒字)でした。新型コロナ禍、半導体不足の影響が大きく、減収となりました。サプライチェーンの分断による原材料不足、価格上昇や、以前行った買収によるテクニカルな会計処理などの影響から赤字決算となりました。

 2022年12月期の市場予想は12%増収、4億8,972万元の黒字です。7月12日に会社側が発表した2022年6月中間期業績見通しは、4%減収、1億1,000万元の赤字(4-6月期は5,000万元の黒字)です。

 半導体不足は徐々に解消されてきたのですが、新型コロナ禍、グローバル経済の悪化などから、業績の回復が遅れています。

 同社の強みはグローバルで事業展開していること、規模のメリットが働くということです。今後、安全システム、自動駐車・自動運転などの機能が融合する形でスマート技術が発展するとみられ、こうした分野で技術力のある同社にとって、急成長のチャンスだと予想します。

寧波均勝電子の月足

期間:過去5年(2017年7月18日~2022年7月18日)
出所:楽天証券ウェブサイト