景気後退の乗り切り方:景気敏感からディフェンシブへシフト

 先行き景気後退が確実ならば、株を売って現金を増やすのも良いでしょう。ところが、現実には、景気予測は当たりません。誰もが悲観の時に、次の景気回復が始まっていることもあります。

 私がファンドマネージャーの時、景気悪化の乗り切り方は、株を売ってキャッシュを増やすことではありませんでした。株はフル・インベストメント(組入比率95~100%)のまま、景気敏感株の組み入れを減らして、ディフェンシブ株(景気変動の影響が相対的に小さい株)の組み入れを増やします。

 具体的には、半導体製造装置・鉄鋼・化学・海運などの組入を少し減らして、情報通信・食品・医薬品・生活必需品を扱う小売業などの組入比率を少し増やします。今では、NTT(9432)武田薬品(4502)セブン&アイHD(3382)中部電力(9502)などがディフェンシブ株として買ってみる価値があると考えています。

 以下、ご参考までに、業種別の景気敏感度の表をお見せします。これを見ながら、景気敏感度の高い業種を少し売り、ディフェンシブ度の高い業種を少し買う入れ替えを検討しても良いと思います。

業種別の景気敏感度

出所:筆者作成

▼著者おすすめのバックナンバー

2022年7月12日:ほど良く減速か、失速か…米景気と4-6月企業業績に注目!
2022年7月7日:セブン&アイHD、武田薬品の投資価値を見直し。キャッシュフロー表に表れる構造変化