米国高配当株3:エジソン・インターナショナル(EIX)

 傘下に、米国大手電力会社の1つである「Southern California Edison(SCE)」や、グローバルエネルギーアドバイザリー企業である「Edison Energy」を抱える持株会社です。

「Southern California Edison(SCE)」はカリフォルニア州を中心に100年以上にわたり電力を供給し続け、「Edison Energy」はコスト削減やエネルギー効率化、再生可能エネルギー導入アドバイスなどの事業を展開しています。

 時価総額は238億ドルで、日本円で約3兆2,000億円となっています(USD=134円換算)。

事業の注目ポイント

 事業は子会社である「米国サザンカリフォルニアエジソン社(Southern California Edison Company)」の単一事業となります。

「米国サザンカリフォルニアエジソン社」では、所有する140万本の電柱および、約19万㎞にわたる配電線・バルク送電線を用いて、カリフォルニア州中部、沿岸部、南部で電力供給を行っており、上場している電力会社の中では最も低いシステム平均料金でサービスを提供しています。

競合他社

 競合他社として、エネルギー関連の製品とサービスを提供する持株会社であるコンソリデーテッド・エジソン(ED)、全国のエネルギー関連事業およびサービスの開発と管理に注力するDTEエナジー(DTE)、完全所有の子会社を通じて、規制対象の天然ガスと電力、再生可能エネルギー、および規制対象外の再生可能エネルギーを提供または投資するWECエナジー(WEC)などがあります。

株式の注目ポイント

 株価は昨年の高値近辺で推移しており、配当は18年連続で増配しています。コロナ発生以降株価は下落したものの、その後の経済の回復とともに徐々に株価は回復してきました。

 懸念だった山火事軽減の取り組みをしてきたことで、山火事が業績に与えるリスクはかなり減らせていると会社側も見ており、カリフォルニア州の経済活動回復とともに株価の回復が期待されます。

業績動向

 2022年5月3日開示の四半期決算では、1株利益・売上高いずれも市場予想を上回りました。

 また、1株利益・売上高ともに前年同期比を上回っており、今後は山火事による業績への影響が減っていくと予測すると、堅調な業績が続くことが予想されます。

 次回2022年7月28日に開示予定の四半期決算において、市場予想を上回ることができるか注目です。

注意点

 どの企業でも同じですが、クリーンエネルギーや、インフレへの対応などそれらが業績に影響を及ぼす可能性がある点には注意が必要です。

株価動向、配当利回り紹介

配当:2.80ドル
配当利回り:4.48%
株価:62.375ドル(約8,400円)

 この銘柄、権利落ち日は7月上旬予定(権利実施は7月下旬予定)です。配当利回りは6月14日時点で4.48%、株価は62.375ドルでおよそ8,400円から購入できます(1USD=134円計算)。

 2019年からの最高値は78.20ドル、最安値は44.47ドルとなっています(終値ベース)。

米国高配当株4:ピナクル・ウエスト・キャピタル(PNW)

 子会社のアリゾナ・パブリック・サービスを通じて、電気事業を展開しています。

 米国最大の原子力発電所であるパロベルデ原子力発電所を所有し、カーボンフリーの電気を生産することでESG重視の姿勢を企業として打ち出しています。

 時価総額は81億ドルで、日本円で1兆1,000億円となっています(USD=134円換算)。

事業の注目ポイント

 事業は「電力管理事業(regulated electricity)」の単一事業となります。

「電力管理事業」では、発電、送電、配電の各事業が含まれており、それらの事業はアリゾナ・パブリック・サービスを通じて事業展開しています。

 2050年までに100%クリーンでカーボンフリーな電力を提供することを目標としており、今後もESG投資を目的とした資金流入が期待されます。

競合他社

 競合他社として、消費者サービス企業であり、米国およびカナダ全土でエネルギーおよび関連製品・サービスの生産・販売に従事するNRGエナジー(NRG)、発電、送配電サービスを提供するエネルギー会社であるエヴァジー(EVRG)、子会社とともに、主に電力の送電・配電・発電に携わるファーストエナジー(FE)などがあります。

株式の注目ポイント

 株価は昨年の高値まで戻っていませんが、配当は昨年より増配しています。

 コロナの影響で一時的に株価は下落したものの、その後は上下を繰り返しながら横ばいで推移しています。

 2024年には、クリーン発電への投資を2021年比で2倍以上に増やしCO2排出を減らすことが計画されており、ESGマネーを呼びこみつつ、米国で最も成長している州のひとつであるアリゾナ州の地盤を生かすことで、今後も堅調な株価の推移が期待されます。

業績動向

 2022年5月4日開示の四半期決算では1株利益・売上高ともに市場予想を上回りました。

 傘下のアリゾナ・パブリック・サービスが運営するフォーコーナーズ発電所を廃止する計画を打ち出したことで、会計上1株利益が前年同期に比べて減少しているものの、決算を受けての株価への影響はほとんどありませんでした。

 今後はパロベルデ原子力発電所を中心としたカーボンフリーエネルギーを発電のメインとしていくことで、ESGに対応していくとともに新たな顧客開拓をすすめることで業績の拡大が期待されます。

 次回2022年8月4日に開示予定の四半期決算において、市場予想を上回ることができるか注目です。

注意点

 天候要因による電力小売販売量の増加を見込んでいますが、一方で最近の異常気象によりアリゾナ州でも異常気象を観測するなどしており、天候要因がマイナスに作用する可能性がある点にも注意が必要です。

株価動向、配当利回り紹介

配当:3.4ドル
配当利回り:4.76%
株価:71.28ドル(約9,500円)

 この銘柄、権利落ち日は7月下旬の予定(権利実施は9月上旬予定)です。配当利回りは6月14日時点で4.76%、株価は71.28ドルでおよそ9,500円から購入できます(1USD=134円計算)。

 2019年からの最高値は103.60ドル、最安値は62.91ドルとなっています(終値ベース)。