2022年5月 個人投資家に人気だった積立銘柄は!?

2022年5月 米株積立買付代金ランキング

順位 ティッカー 前月順位 銘柄名 関連するテーマ
1 VTI 1 バンガード・トータル・ストック・マーケットETF ETF、米国株式
2 VOO 2 バンガード・S&P 500 ETF ETF、S&P500
3 VYM 3 バンガード・米国高配当株式ETF ETF、高配当株式
4 SPYD 4 SPDR ポートフォリオS&P 500 高配当株式ETF ETF、高配当株式
5 VT 6 バンガード・トータル・ワールド・ストックETF ETF、全世界株式
6 HDV 5 iシェアーズ コア米国高配当株 ETF ETF、高配当株式
7 QQQ 7 インベスコQQQ 信託シリーズ1 ETF、ナスダック100
8 VIG 8 バンガード・米国増配株式ETF ETF、増配株式
9 SPY 9 SPDR S&P 500 ETF ETF、S&P500
10 AAPL 10 アップル スマホ、PC
※楽天証券内買付金額ベース。2022年5月1日~5月31日、国内約定日ベース。

2022年5月 米国株式買付者数ランキング    

順位 ティッカー 前月順位 銘柄名 関連するテーマ
1 VTI 1 バンガード・トータル・ストック・マーケットETF ETF、米国株式
2 AAPL 6 アップル スマホ、PC
3 SPYD 3 SPDR ポートフォリオS&P 500 高配当株式ETF ETF、高配当株式
4 VOO 5 バンガード・S&P 500 ETF ETF、S&P500
5 VYM 4 バンガード・米国高配当株式ETF ETF、高配当株式
6 SOXL 2 Direxion デイリー 半導体株 ブル 3倍 ETF レバレッジETF、半導体
7 TSLA 11 テスラ 電気自動車
8 QYLD 8 グローバルX NASDAQ100・カバード・コール ETF ETF、ナスダック100
9 QQQ 12 インベスコQQQ 信託シリーズ1 ETF、ナスダック100
10 HDV 14 iシェアーズ コア米国高配当株 ETF ETF、高配当株式
※楽天証券内買付人数ベース。2022年5月1日~5月31日、国内約定日ベース。

 楽天証券における5月の米国株式銘柄ランキングにおいて、バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)が米株積立買付代金および米国株式買付者数の2部門でトップとなり、米株積立サービス開始以来揺るぎなく1位を継続しています。

 米株積立人気銘柄において、トップ10にランクインした銘柄は若干順位の変化があるものの、銘柄の入れ替えがありませんでした。分散投資したい方や銘柄選びに困る方は米国上場銘柄や世界株式全体に連動するものを、インカムゲインを追求する方は高配当銘柄に連動するものを定期買付する傾向にあります。

 なぜなら、指定された日に決められた投資額で株式を購入できる「積立」は、株式相場が何かしらの理由で下落局面にあるケースでは、購入株数が増加する効果(ドルコスト平均法効果)があります。短期的なキャピタルゲインではなく、中長期の資産形成をお考えの方にぜひおすすめです。

 また、米株積立買付代金TOP10はともかく、米国株式買付者数TOP10においても、米国上場ETF(上場投資信託)が8割を占めており、乱高下の激しい、荒れ気味である足元のような株式相場では、ポートフォリオ志向のETFが個別銘柄より人気です。特に、投資初心者や投資信託を売買している方にとっては「手を出しやすい」のが特徴です。

 それでは、ETFは株式と投資信託と比べて何が優れているのかを改めてみてみましょう。

  ETF 株式 投資信託
上場有無 取引所上場 取引所上場 非上場
取引時間 取引所の取引時間中 取引所の取引時間中 1日1回
取引価格 リアルタイム価格 リアルタイム価格 基準価額
注文方法 成行・指値など 成行・指値など 申込のみ
信用取引 可能 可能 不可
取引銘柄 銘柄バスケット
(例:主要指数連動)
個別銘柄 銘柄バスケット
(例:主要指数連動)
信託報酬 投資信託に比べ低い なし ETFより高め
売買手数料 証券会社による 証券会社による 販売会社による

 ETFは株式と違って、銘柄バスケットに投資するため、個別銘柄の破綻リスクがなく、PER(株価収益率)など財務指標を分析する必要もないことがメリットとして挙げられます。また、投資信託とも異なり、リアルタイム価格で売買できるため、取引価格の透明性が高く、投資コストが抑えられるのも特徴です。

注目すべきセクターをピックアップ!

 先日6月8日(水)、S&P ダウ・ジョーンズ・インデックス主催「第14回ETFコンファレンス」に参加をしてきました。対面形式の大型セミナーに参加するのは3年ぶりで、わくわくしました。

 2022年4月末時点、ETFは世界63カ国の80証券取引所にて取引されており、運用資産額はなんと9兆米ドルに及び、直近10年間で毎年20%以上の増加スピードで急成長を果たしました。

 運用資産額でいえば、iShares(ブラックロック社)、Vanguard(バンガード社)、SPDR(ステートストリート社)が引き続き世界TOP3のETFブランドとして知られ、その地位はいわば揺るぎないものです。世界で初めて作られたETF「SPDR S&P 500 ETF(SPY)」は1993年に設立され、いまや総資産残高1位で世界最大となっています。

 ところで近年、ESGという言葉を一度はお耳にしたことがあるかと思います。ESGとは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字を取ってつくられた用語です。

 ESGは非財務の情報でありながら、直近5年間、環境(地球温暖化対策や水資源保護など)・社会(労働環境改善や女性活躍推進など)・ガバナンス(法令順守や情報開示など)の三つの観点から企業を分析して投資する「ESG投資」が注目され、欧米ではそれらの取り組みを評価して投資先を選ぶ傾向が広がっています。

 日本でもESG投資に連動するETFが上場され、個人投資家でも証券会社経由で取引することができます。上述のカンファレンスでも「ESG投資」については何度か触れられており、引き続き息の長いテーマとなりそうです。

 さまざまな投資テーマを扱う商品が並ぶETF。特に不透明な環境にある昨今、投資すべきテーマに迷った際にはESGというワードを思い出してみると良いかもしれません。