株価下落に苦しむ個人投資家がいる一方で

 日米ともに株価が大きく下落している2022年。特に昨年の秋ごろに高値で買い、損切りもできていない個人投資家の方は、多額の含み損を抱えた塩漬け株に苦しんでいることでしょう。

 その一方、株価下落を虎視眈々(たんたん)と狙い、できるだけ安く仕込もうと考えている個人投資家も少なくありません。

 でも、今のように株価下落のトレンドが続いているようなときに買うことはリスクも高いです。どのような点に注意して買うべきかを、長年の株式投資の経験を踏まえてお話ししていきたいと思います。

注意点1:下がっている途中に安易に手を出さない

 まず、下がっている途中に安易に手を出すべきではありません。なぜなら、株価の下落がいつまで続くかは誰にも分からないからです。

 株価はバブルで上に行き過ぎることがありますが、逆に〇〇ショックで下に行き過ぎることもあります。

 もし、下がっている途中に買ったあと、〇〇ショックで急落・暴落してしまったら、おそらく損切りをタイムリーにすることは難しく、あっという間に塩漬け株が大量に発生してしまうでしょう。

 下がっている途中というのは、大口の投資家がまさに売却している最中である可能性が高いです。そんな時、資金量の小さい個人投資家がいくら立ち向かっても、その下落の波を上昇に変えることなどできません。

 そうではなく、下落の波が収まるまでは大人しくしていて、株価チャートをみて上昇の波に転じたとなったら買うようにする方がはるかに安全です。

注意点2:下がったらどうするかのルールをしっかり決めておく

 下がっている途中に買うのは、まだ底値を確認できていないうちに買う行為ですから、買った後さらに大きく下がることも当然あります。

 とはいえ、下がっている途中に買い向かうタイミングが良ければ、程なく株価が上昇に転じることもあります。

 このとき、私たち個人投資家が絶対に避けるべきなのは「大きな損失」です。下がっている途中に買うことを百歩譲って良しとしたとしても、その後株価がさらに下がってしまったらどのような措置をとるのか、あらかじめルールとしてしっかり決めておくことが重要です。

 ルールが定まっていなければ、買った後株価が下がってもどうすることもできず、結局は塩漬け株を大量に発生させてしまいます。

注意点3:旬を過ぎた銘柄はなるべく控える

 株価が下落から上昇に転じても、全ての銘柄が同じように動くわけではありません。大きく上昇するものもありますし、ほとんど上昇しない、もしくは下落が止まらないという銘柄もあります。

 ですから、旬を過ぎた銘柄、つまり株価がすでに天井を付けたと思われる銘柄はなるべく控えて銘柄選択をした方がよいでしょう。

 旬を過ぎた銘柄の筆頭格は成長株です。日経平均株価も2021年秋以降値下がりしていますが、成長株の下げ方は非常に厳しく、高値から2分の1、3分の1、5分の1以下になっているものも目立ちます。

 もちろん、下落が大きければリバウンドの規模も大きくなり、意外と大きな利益を得られることもありますから旬を過ぎた銘柄をあえて狙いに行くという戦略もあります。

 ただ、そこまでこまめに臨機応変に対応する自信がないのであれば、弱い株のリバウンド狙いよりは、上昇トレンドの強い波を描いている株にしっかり乗ることが大事だと思います。

 良い銘柄をできるだけ安く買うのが株式投資の醍醐味(だいごみ)。それができれば成功へ大きく近づきます。

 その一方で売られ過ぎの「〇〇ショック」も頻繁に生じるのが株式マーケットです。株価急落時の損失拡大を防ぎつつ、株価上昇による利益を得るには、大きく負けないことが大事です。その点を常に意識して株式投資をするようにしてくださいね。

■【動画で学ぶ】足立武志さんの株投資テクニック満載!

【投資戦略】夢のテンバガー達成3つの条件!10倍高は「◯◯株」を狙うべし

【FIRE特集】FIREするとき・した後の税金 FIREを目指すなら最低限知っておきたい注意点

【初心者向け】投資初心者は注意!株の注文方法(指値・成行)の使い分け